配偶者居住権(2)
公開日:2020-08-06 23:03
目次
平成30年の民法改正により、2020年4月以降発生する相続から、「配偶者居住権
が創設され旨は前回のコラムにてご説明をいたしましたが、「配偶者居権」について、相続税の申告をする場合には、
相続財産として評価するのか?
また、
評価するのであればどのように評価するのか?
疑問に思うところです。
結論的には特定の計算式にて「配偶者居住権」を評価して相続税の申告をすることになります。
【具体的な評価方法】
①
建物
配偶者居住権の建物評価=建物の時価-(建物の時価×(建物の残存年数-存続年数)÷建物残存年数×※複利現価率)
※残存年数に応じた法定利率による複利現価率
② 土地
配偶者居住権の敷地評価=土地の自用地価額-土地の自用地価額×※複利現価率
※残存年数に応じた法定利率による複利現価率
【例】建物
居住用建物の時価:20,000,000円
耐用年数:33年 ※22年(法定耐用年数) ⇒ 33年(22年×1.5)
経過年数:16年 ※15年7ヶ月 建築~遺産分割協議までの年数
6ヶ月以上の端数は1年、6ヶ月未満の端数は切り捨て
残存年数:17年 ※33年-16年=17年
配偶者(妻)の年齢:80歳
80歳女性の平均余命:12年
存続年数:12年
複利現価率:0.701 ※法定利率3%・存続年数12年
土地の自用地価額 100,000,000円
配偶者居住権(建物)
20,000,000円-20,000,000円×(17年-12年)/17年×0.701=15,876,470円
配偶者居住権(敷地)
100,000,000円-100,000,000円×0.701=29,900,000円
次回は、配偶者居住権が設定されている建物及び敷地の所有権の評価について説明します。
執筆:税理士法人Sofa