相続税の計算(基本)
公開日:2020-11-12 12:00
目次
各相続人の相続税の計算は下記の順序により計算することになります。
Ⅰ 課税価格の合計額の算出
相続又は遺贈により財産を取得した人全員の課税価格の合計額を算出します
相続人Aの取得課税価格 200,000,000円 (配偶者)
相続人Bの取得課税価格 100,000,000円 (長男)
相続人Cの取得課税価格 50,000,000円 (長女)
合計 350,000,000円
Ⅱ 課税遺産の総額の算出
課税価格の合計額から遺産に係る基礎控除を控除して算出します
(課税価格の合計額) (※基礎控除額) (課税遺産総額)
350,000,000円 - 48,000,000円 = 302,000,000円.
※3,000万円+600万円×3人(法定相続人の数)=4,800万円
Ⅲ 法定相続分に応じる各取得価額の算出
上記の遺産総額を法定相続人が法定相続分にしたがって分けたものとした場合の
各人ごとの金額を算出します
相続人A 302,000,000円×1/2=151,000,000円
相続人B 302,000,000円×1/4=75,500,000円
相続人C 302,000,000円×1/4=75,500,000円
Ⅳ 相続税の総額の基となる税額の算出
下記の<相続税の速算表>によって、相続税の総額の基となる税額を算出します
相続人A 151,000,000円×40%-17,000,000円=43,400,000円
相続人B 75,500,000円×30%- 7,000,000円=15,650,000円
相続人C 75,500,000円×30%- 7,000,000円=15,650,000円
相続税の総額 74,700,000円
<相続時の速算表>
法定相続分に応じる各人の取得価額 | 税率 | 控除額 |
1,000万円以下 | 10% | - |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
Ⅴ 各人ごとの相続税額の算出
相続や遺贈に財産を取得した人が実際に負担する相続税額は、相続税の総額を基として、各人の実際の取得割合をもとに算出します
(1)各人の財産の取得割合
相続人A 200,000,000円÷350,000,000円=0.5714285714
相続人B 100,000,000円÷350,000,000円=0.2857142857
相続人C 50,000,000円÷350,000,000円=0.1428571428
(2)各人の相続税額
相続人A 74,700,000円×0.5714285714=42,685,714円
相続人B 74,700,000円×0.2857142857=21,342,857円
相続人C 74,700,000円×0.1428571428=10,671,428円
Ⅵ 各人の納付すべき相続税額
最終的に各人が納付すべき税額はⅤの税額に下記の①~⑧をプラスマイナスして算出することになりますが、こちらについては次回以降にご説明いたします。
① 相続税額の2割加算
② 暦年課税分の贈与税額控除
③ 配偶者の税額軽減額
④ 未成年者控除額
⑤ 障害者控除額
⑥ 相次相続控除額
⑦ 外国税額控除額
⑧ 相続時精算課税分の贈与税額控除
執筆:税理士法人Sofa