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リスクのある節税対策 タワーマンションスキーム その3

公開日:2020-11-13 12:00

目次


「相続税法上の財産評価 ② 法律と通達の違い」

 

 前回は、相続税法上で定められている財産評価の仕方と、
さらに通達でその財産評価の仕方が具体的に示されていることを確認しました。

ところで、法律と通達はどのような違いがあるのでしょうか。

通達で具体的な評価方法を確認する前に、法律と通達の性質の違いを確認します。

 

法律とは、国会で定められた守るべきルールのことです。

相続税の計算においては、相続税法という法律が定められており、
前回確認した相続税法22条において、財産は時価で評価しなさい、
と定められています。

ルールなので、もちろん相続税の申告においては、
相続税法に定められていることに従わなければなりません。

 

では通達とはどのようなものでしょうか。

法律と間違えやすいのですが、位置づけは全く違うものです。

通達は、抽象的な法律をどう解釈するか、ということについて、
上級行政庁が下級行政庁に対して示しているものになります。

つまり税法の通達は、国税庁が税務署に対して、
抽象的な法律の解釈の仕方を示しているものであり、
私たち納税者が従うものではなく、
行政が法律を運用する際の指針なのです。

極論を言えば、通達は解釈の一つでしかないものなのですが、
ありえない解釈が通達で採用されていることはなく、
税務職員も通達に沿って税務調査を行います。

通達に従って税務調査が行われ、原則、通達通りの処理をすることに妥当性があるため、
納税者及び納税者の税務申告代理人である税理士も、法律だけではなく、
通達も確認したうえで税務処理をすることが必要となります。

 


執筆:税理士法人アップル 代表税理士 村谷文吾