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リースバックについて

公開日:2020-12-10 21:52

目次


リースバックについてお話させていただきます。

ここ12年ぐらいでテレビCMやインターネットなどで見かけるようになりましたね。

ただ、そもそもリースバックってなんだろうと疑問にもっている方は多いと思います。

ここでイメージしてもらいたいのですが、

あなたが生きている中で【そんなまさか…。】というようなイレギュラーに巻き込まれて多額のお金が必要になってしまいせっかく購入した自宅のローンが支払えない…。

急な病気で医療費がかさみ生活費が足りないなど、泣く泣く夢のマイホームの売却を考えている方もいると思います。

リースバックはそのようなイレギュラーが起こった時に、

自宅を売却して現金化した後もそのまま自宅に住み続ける事ができるサービスです。

では、このリースバックがどのようなサービスかお話したいと思います。

 

〇リースバックとは?〇

「住んでいる家に住みながら、自宅を売却し、そのまま賃貸で住み続ける方法」

を言います。

また、リースバックは、自宅を売却して現金を一括で受け取ることができます。

自宅を売却した後も引き続き、賃貸(リース)によって住み続けます。

銀行からお金を借りる訳ではないため、お金の使い道は自由です。

もう1つリースバックの利点と言えるポイントがございます。

賃貸で住み続けた後にも再購入が可能です。

賃貸借契約を結んでから期限が切れるまでの間に、再度家を購入することもできます。

これを買い戻しといいます。

買い戻し時の金額も最初に提示してくれるので、

再購入に向けて計画が立てやすくなっています。

再購入者を自分の子どもに設定できることもできるので、

老後資金を蓄えつつ、固定資産税や維持コストの支払いも回避しながら、円滑に物件を相続することもできます。

※注意※

買い戻しに関して対応していない業者や投資家もいるため契約書の内容か必ずチェックしましょう。

 

 

 

では、具体的な活用方法について考えてみましょう。

 

① 【相続の納税資金対策・遺産分割対策】

相続の納税資金が足りない、財産が不動産しかない、

分割することが出来ないなどの遺産分割問題を早急にリースバックで現金化することによって解決できます。

例えば、相続財産が土地であり、相続人が5人いた場合はこの土地に5人で名義をつけるか、

または売却して現金化するかで5人での争相続が予想されます。

そこで生前のうちにリースバックで不動産を現金化することによって、

相続人の方の相続問題をなくすことができるのです。

ご本人もまとまった資金が確保できるため、老後の資金に充てる方もいらっしゃいます。

もちろん、ご自宅に賃貸としてそのまま住み続けられるので引越の心配もいりません。

売却資金にてゆとりある老後ライフをおくれます。

 

② 【競売の回避】

住宅ローンを何度か滞納しており、競売になってしまうかもしれない。

そんな時に、競売を回避して住み慣れた家に住み続けたい場合にリースバックは有効な手法です。裁判所から競売の通知書が届いてしまった場合には一刻も早く手を打たなくてはいけません。

なんとかご自宅に住み続ける最後の手段として、リースバックをすることで競売を回避し、賃貸として今まで通り住み続けることができます。

 

③ 【税金・借入金の返済。】

税金の滞納や、車のローンなど借入金があり一括返済をしたい場合の資金調達としてもリースバックは活用できます。

リースバック後は賃貸としてのお家賃のみとなり、住宅ローンなど他の借入も一緒に一括返済することで、生活や気持ちにゆとりが生まれることにもなります。

また万が一、再び税金などの滞納してしまったとしてもご自宅は賃貸となっているためご自宅の差押えをされ、競売にかけられる事はないです。

税金の滞納でお困りの方にもご活用できる方法になるでしょう。

 

④ 【まとまった資金の調達と住み慣れた家に住み続けたい。】

「急な病気による多額な治療費」、「お子様の進学費用」など、急にまとまった資金が必要になることもあると思います。

介護付き老人ホームを希望の方は契約時に一時金として必要なお金が数百万円もかかることもあります。

そんな時にリースバックをご活用することで、家を引っ越さずに早急に資金を手にすることができるのです。

一度ご自宅を売却していただき、その後買主と賃貸契約を交わすことによって引越しすることなく、まとまった資金の調達ができます。

このとき、住宅ローンの残債・諸費用を払った上で手元に残る資金が必要なお金に十分であるかが大事です。

 

⑤ 【住宅ローンの見直し。】

リースバック後の賃貸料のほうが現在の住宅ローン返済額より安くなる場合があります。

例えば、「住宅ローン残高が少ない」・「建物の築年数が古い」など様々な要因はありますが、リースバック後の賃料が安くなることがあり、賃貸に切り替えることで毎月の返済負担を軽くすることができるかもしれません。

マンションの場合は管理費・修繕積立金といった維持費も支払いが無くなるため、

このような出費など考慮して総合的に毎月の返済額が安くなる場合があります。

 

メリットがあればデメリットもありますよね。

デメリット部分に関してもご説明致します。

 

    【賃料が近隣相場より高くなることもある】

リースバック後に住み続けるための賃料を決める際には売却価格に応じ決めます。

売却価格が高いとその分家賃も高くなります。売却価格の713%を12月で割った金額が家賃の目安となります。

また、リースバック後の家賃は物件の売却価格によって変動するため、家賃を抑えるために、売却価格を下げるという選択肢も可能になってきます。

 

    【購入時よりも売却価格が安くなる】  

一般的な価格より安くなるのは、購入する買主が利回りを重視するためです。

投資用不動産として家賃による収益を目的といているために、

利回りを重視して物件を査定することになります。

そのため、通常の売却価格より1~3割低くなります。

 

③【買い戻し時、売却価格より高くなる】

基本的には、リースバックをしてくれる買主が、

購入した時の金額に購入時と売却時(買い戻し時)にかかる諸費用分を上乗せした金額

※【売却頂いた金額の約1.1~1.3倍前後】の利益を上乗せする場合もあります。

 

以上がリースバックのメリットとデメリットになります。

他にも気をつけるポイントがございます。

それは、住宅ローンの残高より高く売れる金額でなければなりません。

えっ、なんで?

それは自宅を購入した時に借りた銀行と抵当権の設定をおこなっているからです。

抵当権が外れてない不動産を買うと差し押さえられてしまうリスクがあるため、

売却時に抵当権が外れない不動産は購入者がかなり限られてしまうので、

ご自身のローン残高を把握しておくことが重要です。


執筆:株式会社プロバンク 阿部