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ローン残債と売却の考え方

公開日:2020-12-10 22:00

目次


ローンが残っているけど自分の自宅は売れるか?で悩んでいる人もいると思います。

結論は、ローンがあっても売れます。

ローンが残っている家を売る時は、買主が決まり自宅とお金を引渡しのタイミングで

残っている借入金を全て返済します。

全額返済することになるので、登記簿に記載されている抵当権が外れるので、

問題なく売ることができます。

今回はローンの残る不動産を売約する際にどのように売ればいいのかご説明していきます。

また、ローン残債が思った以上に多く売却金額が全額返済までいかなかった場合の対処方法に関しても少しお話します。

 

    不動産を売ったお金でローンを返済する。

最初にご説明しました自宅を売却してそのお金でローンの残債を無くす方法が1番簡単で分かりやすいです。

ただ、気をつけないといけないポイントがございます。

それは、ローンを一括で返済しなければなりません。

〇【不動産の売却額>ローンの残債】

〇【住宅の売却額+現金>ローンの残債】

上記のような状態で売れれば問題なく売却はできます。

なぜ、このようなパターンでしたか売れないかと言いますと【抵当権】が絡んできます。

この抵当権とはローンの支払いができなくなった場合に住宅を差し押さえて売却できる権利のことです。

【ローンがある=抵当権付き】のため住宅を売る時と一緒にこの抵当権の解除が必要になります。これが理由で一括返済が求められるわけです。

 

    任意売却を利用する。

上記の方法でもローンの残債まで届かない。

そのような状況でも任意売却という方法をおこなえばローン残債がある自宅も売却はできる可能性がございます。

まず任意売却の説明ですが、

簡単に言うと自宅を売ってもローン残債できず月々の返済も難しい人の救済処置で、

住宅売却後に残ったローンを分割して支払っていきます。

ただ、任意売却を利用すると金融機関から本人の経済力が無いと判断されてしまい、

クレジットカードの審査や新たにローンを組むことやスマホの契約も難しいので、

日常生活が不便になるデメリットがあるのでこれは奥の手に利用下さい。

加えて任意売却を行うためには債権者(金融機関)の承諾が必要となります。

 

    住み替えローンによる現状のローン残債返済

【住み替えローン】は、次に購入する物件の住宅ローンに返済しきれなかったローン残債を上乗せした形で借りる方法です。

この住み替えローンを利用すれば自宅売却でローン返済ができなくても抵当権を外す事は可能です。

こちらを利用するにも制約があります。

購入する物件の担保価値以上のローンを組むことになります。

銀行の抱えるリスクが高くなることがわかりますでしょうか。

万が一、住み替えローンを行った人が返済できなくなった場合、

融資した銀行が回収できない可能性が高くなります。

そのため、銀行の住み替えローン審査は通常の審査よりハードルが高いです。

 

    ローン残債で使える税金特例

【譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例】が使える場合がございます。

簡単に言いますと自宅の売却額を超えた分のローン残債を給与所得等の他の所得から控除して、会社が天引きした源泉徴収額をリターンできる特例です。

言葉だけだと難しいので例で出しますね。

残りのローン額が300万として給与所得が900万でした。

確定申告の際に損益通算の手続きを行うと給与所得900万から損益分の300万円を控除しることができます。

上記の計算だと所得は600万円になるため、もとの900万円で支払っていた税金金額から払いすぎた分を取り戻すことができます。

 

ローン残債がある自宅の売却についてお話ししてきましたが、

基本的な売却方法としては一括返済で行うのがベストであって、

他の方法は難易度が格段に難しくなるためオススメはしませんが、

一つの選択肢として覚えておいて頂ければと幸いです。


執筆:株式会社プロバンク 阿部