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生前/遺品整理のやり方・ノウハウ

公開日:2020-12-10 22:14

目次


今の時代、誰もがいつどうなるかわからないからこそ早い段階から生前整理をしておきたいものですし、身近な誰かが亡くなった場合には遺品整理と向き合わなければいけません。

生前整理にしても遺品整理にしても、先々のことを考えておこなっていくべきことです。

先では生前整理と遺品整理についてご説明しましたが、生前整理と遺品整理には違いがあります。

ただ、同じ「整理」ということでやり方やノウハウの面では共通している部分もあります。

 

・生前・遺品整理の仕分けについて

 

生前整理、遺品整理の仕分けについてですが、まずは残しておきたいものと処分するものを分ける作業が必要になってきます。

ただ、残しておきたいものと処分するものを分けると言っても、いざ分けようとすると戸惑ってしまうものです。

そのため、いくつかのポイントを意識しながら、効率的に仕分け作業を進めていきましょう。

 

【作業スペースを確保する】

まず押さえておきたいのが作業スペースの確保です。

生前整理にしても遺品整理にしても、基本的には家にあるものをすべてが整理対象となります。

そのため、いざ作業を進めていくと思っている以上にたくさんのスペースが必要になってくるのです。

残しておきたいものと処分するもの分ける際には、仕分け用の段ボールを使っていくことになります。

最近はテレビなどの各種メディアでも片づけテクニックとして紹介されていることもあり、ご存知の方も多いかもしれませんが、「残しておきたいもの」「処分するもの」「保留とするもの」という3つの段ボールを用意して仕分けをしていきます。

少なくとも3つの段ボールを置いて仕分け作業をしていくことになりますので、仕分け用の段ボールを置いておくことのできる玄関などの入り口、大きな窓の近く、廊下などの通路付近から作業を進めていきます。

先にスペースを確保しやすいところから作業を進めていき、作業を進めながら余裕のある空間を作っていくような感覚です。

余裕のある空間を作っていくことによって「整理ができている」という実感がわき、それがモチベーションにもつながってきますし、移動も楽になります。

 

【仕分けする順番を考える】

生前整理、遺品整理において途中で挫折してしまう方も多いのですが、そういった場合というのは仕分けをする順番でミスをしているケースが多いです。

例えば、日頃の部屋の片づけを思い出してみましょう。

部屋全体を片づけようと思っていたのに、本棚から片づけを始めてしまったばかりに昔の雑誌に手が伸びて……ということは珍しくありません。

このように順番を間違えてしまうと、効率的に仕分け作業を進めていくことが難しくなります。

生前整理や遺品整理であれば、最初は食器や衣服など日用品が入っているタンスなどから仕分け作業を進めていきましょう。

途中で手が止まりにくいという部分もあるのですが、空になったタンスそのものを粗大ごみとして処分することもできます。

また、貴重品や故人との思い出の品のような手が止まりやすいものは後回しにしたほうがよいでしょう。

もちろん、何を手に取ったときに昔を思い出すかというのはひとりひとり違うかとは思いますが、手に取ったことで思い出がよみがえってくるであろうものは後回しにして、後でゆっくり考えるようにしたほうがいいのです。

仕分け作業の途中で手が止まってしまうと、効率的に仕分け作業を進められなくなってしまいます。

貴重品に関しても思い出の詰まったものもあるでしょうし、価値があるゆえに残しておくか処分しておくかで迷ってしまうものです。

ちなみに、生前整理での貴重品に関しては残しておくか処分しておくかという部分だけではなく、バラバラに保管せずにまとめておくということも必要になってきます。

基本的に生前整理にしても遺品整理にしても、先に片づけやすいものから着手して、迷いそうなものはすべての作業を終えた残り時間でゆっくりとどうすべきかを考えるというスタンスで臨みましょう。

 

・貴重品の捜索

 

生前整理の場合、貴重品に関してはまとめてどこかに保管しておき、信頼できる親族にのみ保管場所を伝えるということができます。

実際に終活ということで自分でそこまで完璧にこなしてしまう方もいるのですが、そこまでできる方はそう多くありません。

そう思っていたのに手をつける前に亡くなってしまうというケースもあります。

それに、仮に生前整理をしたという話を聞いて、「貴重品はどこにまとめたの?」と尋ねるのもなかなか勇気がいるものです。

こういった背景もあり、遺品整理をする段階になって初めて貴重品がどこにあるのかを捜索しなければいけなくなるということもあります。

必ず見つけ出しておきたい貴重品としては、以下のようなものが挙げられます。

「遺言書」

「銀行等の預金通帳」

「銀行印や実印といった印鑑」

「土地の権利書など不動産関連の書類」

「生命保険や損害保険の証書と関連書類」

「年金の書類や年金手帳」

「有価証券に関する書類や金融資産の書類」

「通常のファッションリング、結婚指輪や結納指輪」

「宝石や宝飾品類、高級時計、金・銀・プラチナなどの貴金属」

「賃貸やリースなどの契約書」

「借金などに関する書類や覚書」

「現金や商品券」

「キャッシュカードやクレジットカード、健康保険証、マイナンバーカードなどカード類」

「携帯電話やインターネット、公共料金などの各種契約書」

「骨董品や美術品」

「切手やコインなど小型でコレクション性の高いもの」

「金庫や金庫の鍵」

どこに何が保管されているのかを聞いていない場合には、亡くなった方の性格や行動パターンから貴重品を根気よく探し出す必要が出てきます。

遺品整理士の資格を管理する一般社団法人遺品整理士認定協会によると、「タンスの奥」「仏壇の引き出し」「女性であればドレッサーの引き出し」といったところに貴重品が入っているケースが多いそうです。

他にも、以下のようなところに貴重品が入っていることもあります。

「リビングの引き出し」

「書斎の引き出し」

「寝室の引き出し」

「仏壇の引き出し」

「整理ダンスの引き出し」

「寝室脇のサイドボードの引き出し」

「愛用していたカバンの中」

「バッグの中にあるファスナー付きの内ポケット」

「食器棚の引き出し」

「洋服ダンスの引き出しの裏」

「冷蔵庫の中」

「書棚の本の中」

「台所にある煎餅などの缶の中」

思わぬところに隠されていることもありますので、捜索の際には慎重に作業をおこなうことをおすすめします。

自分でおこなうよりは、やはり専門の業者にお願いしたほうが安心です。

実際に、プロの目だからこそ見つけられるものもあります。

 

・遺品の処分方法

 

当たり前のことなのですが、一口に遺品と言ってもどのようなものなのかによって処分方法が異なってきます。

それぞれの遺品の処分方法について詳しく触れていきましょう。

 

【仏壇や神棚、故人の思い出の品や愛用品】

ご存知の方も多いでしょうが、仏壇や神棚に関しては処分する前に魂抜きが必要になります。

また、写真やぬいぐるみなど故人の思い出の品や愛用品といったものは一般的なゴミとして処分することもできるのですが、抵抗があるという方も多いでしょう。

そのため、最近では故人の思い出の品や愛用品を供養やお焚き上げする方も増えているようです。

もし量が少ないのであればそのまま家で保管するという選択肢も出てくるかとは思うのですが、量が多すぎたり十分なスペースを確保できなかったりするケースもあるでしょう。

そういった場合には、近くの寺院に供養を依頼するのもひとつです。

もしゆかりのあるお寺がない場合には遺品整理業者に供養の手配をお願いすることもできます。

パソコンなどのデジタル遺品も含めてすべてお焚き上げをしてくれて、お焚き上げ完了後には遺品をそのまま高温焼却してくれるような業者もあります。

ホームページなどでその業者が何をどこまでしてくれるのか確認しておきましょう。

 

【家電】

家電というのは生活に欠かせないものですし、必要だからこそあまり処分のことを考えずに購入してしまう方も多い傾向にあります。

ただ、家電はそのままゴミには出せないものが多くあります。

そのため、遺品となった家電の処分に頭を抱える方も少なくありません。

サイズが大きいものであれば粗大ごみの手続きをして出さなければいけないこともありますし、家電リサイクル法に則って適切な処分をしなければいけないものもあります。

特に、今はスマートフォンやパソコンなどその機器の中に重要な情報が入っているものも少なくありません。

いわゆるデジタル遺品と呼ばれるものなのですが、捨て方や処分の仕方を間違えてしまうととても危険です。

面倒でも丁寧に処理していきましょう。

自分で処分するのに自信がない場合には業者に依頼することをおすすめします。

 

【家具やキッチン関連】

家電の遺品整理も大変ですが、家具やキッチン関連の遺品整理も大変です。

特に、家具に関しては基本的にサイズが大きく重たいものが多いため、粗大ごみとして出すだけでも一苦労です。

今は中古品の買取市場も盛り上がりを見せていますので、訪問出張買取や近くのリサイクルショップへ持ち込むなど業者をうまく活用して処分をしていきましょう。

 

【本や書類】

生前整理などですでに整理されている状態であったり、数冊程度であったりすればそう大きな問題にはならないのですが、本や書類が大量にあるとこちらも処分に困ってしまうものです。

本に関しては古本として買取をお願いすることもできるでしょうが、明細など何かの証明になるものや他人に読まれることに抵抗があるものについては買取以外の処分を考えなければいけません。

場合によっては大きなシュレッダーが必要になることもありますので、こちらも手に負えない量であれば最初から業者に任せてしまいましょう。

 

【家の外にあるもの】

遺品整理というと漠然と家の中にあるものをイメージしてしまう方も多いでしょう。

ただ、戸建てであれば庭にもいろいろなものがあるでしょうし、マンションでもベランダが物置のようになっているケースもあります。

庭やベランダなど家の外にあるものに関しても、遺品整理をしていく必要があります。

特別な手続きが必要なものや専門業者に依頼しないと処分が難しいものもありますので、こちらに関してもやはり業者に任せるのが安心です。

 

【その他】

他にも、日本刀や猟銃、スプレー缶、ガスボンベ、注射針、農薬、灯油など個人の趣味や仕事、健康面によって思いもよらない危険物が保管されていることもあります。

また、故人が飼っていたペットなどもどうするかを考える必要があります。

ケースバイケースではあるものの、自分で処分するのにも限界がありますので、早めに業者に相談しておくことをおすすめします。


執筆:日本一正直な遺品整理業車ココロセイリ