生前/遺品整理の大変さ
公開日:2020-12-10 22:14
目次
・生前/遺品整理が大変な理由
生前整理と遺品整理が大変な理由というのは、いくつか考えられます。
具体的に見ていきましょう。
【メンタル面での負担】
先でもお話しましたように、生前整理も遺品整理も死と向き合う作業になります。
もともと日本は特に死というものを忌避する傾向にあります。
忌避するものと向き合うのですから、メンタル面での負担というのはやはり思っている以上に大きくなってきます。
生前整理では「もし自分が死んだら……」ということを考えますし、遺品整理ではどうしても故人のことを思い出しながらの作業になります。
生前整理にしても遺品整理にしても気持ちを抜きにして、体力的に厳しい作業でもあります。
そこにメンタル面での負担があるのですから、余計に大変に感じられます。
【時間的な負担】
生前整理も遺品整理も、やはりそれなりの時間がかかる作業になってきます。
自宅でそのまま生前整理や遺品整理ができる場合もありますが、生前整理や遺品整理のために長距離移動が必要になってくることもあります。
急ぎでなければ時間的な負担もそこまで大きくならないかもしれませんが、特に遺品整理に関しては賃貸契約などのタイムリミットがある場合もあります。
タイムリミットがあると気持ちの面でも焦りが出てきますし、時間の確保がなかなかできないこともあるでしょう。
こういった時間的な負担も生前整理や遺品整理が大変と言われる理由のひとつなのです。
【金銭的な負担】
生前整理や遺品整理を部屋の片づけの延長のように考えている方もいるかもしれませんが、生前整理や遺品整理となってくると金銭的な負担もかなり大きくなってきます。
部屋の片づけでもゴミ袋などの費用がかかっているわけですが、生前整理や遺品整理となってくると部屋の片づけの比ではありません。
もちろん、日常的に出るようなゴミであれば自治体に無料で回収してもらえますが、家具や家電となるとそうはいきません。
自治体の粗大ごみ回収を申し込む、不用品回収業者に申し込む、家電の販売店に回収してもらうなどどのような方法であっても費用はかかります。
処分するためのお金に加えて、移動をする場合には交通費もかかってきます。
交通費に関しては1回の往復だけで済めばまだいいほうで、何往復もする可能性もあります。
部屋の片づけと同じ感覚でいると、桁違いの費用で余計に精神的なダメージも大きくなってきます。
【相続などのトラブル】
生前整理や遺品整理の場合、相続などのトラブルも出てきやすいです。
おそらくほとんどの方が「話し合えば解決する」と思っているでしょうが、いざ自分が相続するという状況になってくると人は変わってしまうものです。
それに親族でも連絡の取れないような相手もいます。
そうなってくると、そもそもの話し合いが十分にできないこともあるのです。
特に、生前整理や遺品整理の対象が資産家である、多くの借金を抱えている、とにかく多くのものを持っているなどの場合には、相続を含めてさまざまなトラブルに発展する可能性があります。
実際に、価値のあるものがあったために相続で揉めてしまうようなケースも起こっています。
相続人同士の同意が得られずに手続きができず、専門家に相談して費用がかさむということもあるでしょう。
生前整理や遺品整理をきっかけに、それまで穏やかで優しかった相手が豹変するということは珍しくありません。
専門家に相談する費用はもちろん、精神的な面での負担もより大きくなります。
・生前/遺品整理を自分でやるor業者に任せる?
生前整理や遺品整理というのは、自分でおこなうこともできますし、最初から業者に任せてしまうこともできます。
では、自分でおこなっていくのと業者に任せてしまうのではどちらがいいのでしょうか?
一概にどちらがいいとは言い切れないのですが、ある程度の目安はあります。
例えば、以下のような条件に当てはまる場合には、自分でおこなっていくことも十分に可能かと思います。
「生前整理や遺品整理をする部屋が1部屋から3部屋ほど」
「すでにある程度整理を済ませている状態での生前整理or生前整理後の遺品整理」
「業者を探したり、回収場所まで運んだりと自分たちで処理ができる」
もちろん、当てはまるかといって絶対に自分でしなければいけないということではありません。
最初から業者に任せておいたほうが安心という方であれば、最初から最後まで業者に任せてしまってもいいでしょう。
一方で、以下のような条件に当てはまる場合には一度業者に相談しておいたほうがいいかもしれません。
「床が見えないほどものが多くて、散らかっている」
「整理をしようと思いつつ、もう何年も整理できていない」
「生前整理や遺品整理をする場所から離れたところにいる」
「自分で大型の家具などを運んだり、処分したりするのが難しい」
「ものの整理だけではなく、家や土地の売却なども考えている」
業者によっては、無料で現地まで出張見積もりしてくれるところもありますので、相場や見積もりを聞いた上で少しでも安いところにお願いするということもできます。
・生前/遺品整理の注意点
生前整理や遺品整理をするにあたってはいくつかの注意点があります。
具体的にどのような点に注意すべきなのか触れていきたいと思います。
【借金などの負の遺産】
これは生前整理というよりは遺品整理における注意点なのですが、借金などの負の遺産がある場合には要注意です。
生前整理と比べると遺品整理のほうがどうしてもバタバタとしてしまいます。
そういった中で、遺品整理を始めた後で借金などの負の遺産に気づくということも珍しくありません。
実は隠れて借金をしていたという話はよくありますので、これは誰にでも起こり得ることです。
もともと故人が残した負の遺産がプラスの資産を上回った場合、簡単に言うと赤字になる場合には所定の手続きをおこなうことで相続を放棄することができます。
相続の放棄によって借金などの負の遺産もプラスの資産も引き継がずに済みます。
ただ、遺品整理を始めてしまうと遺産に手を付けたと見なされ、相続したことになってしまうのです。
相続したことになると、仮に借金などの負の遺産のほうが多かったとしても、遺族がそれらすべてを相続しなければいけません。
バタバタとなりがちは遺品整理ではあるものの、まず遺産にどのようなものがあるのかを確認しておきましょう。
下手すれば、遺品整理を始めてしまったばかりに莫大な借金を抱えてしまうという可能性も出てくるのです。
要注意です。
【複数の業者からの見積り】
生前整理や遺品整理を業者にお願いする場合、必ず複数の業者から見積りをとるようにしましょう。
業者と一口に言っても、生前整理や遺品整理を専門的におこなっているところから便利屋のようなところまでさまざまです。
すべての業者が優良というわけではないので、比較検討していくことが大切です。
人生の節目でやってくる生前整理や遺品整理を悪質な業者に依頼してしまうという事態だけは避けたいところです。
実際に悪質な業者に引っかかってしまって、相場からかけ離れた費用を請求されたり、見積りではなかったはずの費用が加算されてしたりするケースもあるのです。
安いところを選びたいという気持ちはわかりますが、安いかどうかだけにこだわってはいけません。
必ず数社に、一度ずつは現地に見積もりに来てもらいましょう。
実際に見てもらってから正確な見積書を出してもらい、その見積書の内容や業者の対応などもチェックしていくようにしてください。
安いというだけで飛びついてしまうと、結果的に想定していた以上の費用になってしまうこともあるのです。
【無料に騙されない】
先でもお話しましたように、安いというだけで飛びついてしまうのは危険です。
これは「無料」という表現にも言えることです。
生前整理や遺品整理には結構な費用がかかりますので、無料でできるなら無料でしたいという気持ちが出てくるのも仕方ありません。
ただ、無料という言葉に誘われて、結果的にしつこい営業に辟易するなどの体験談はいろいろな商品やサービスでもよく見聞きするものです。
特に、生前整理や遺品整理のときには町中を走っている車のアナウンスやポストに入っているチラシの「無料回収」という言葉が魅力的に感じられるものです。
もちろん、そのすべてが悪徳業者とは限らないのですが、無料と謳いながらも実際には費用を請求してくるようなこともありますし、回収したものが売れなかったからと不法投棄するような違法行為をする業者も少なくありません。
不法投棄というのは環境の悪化にもつながりますので、極端な言い方をすると地球規模の問題です。
依頼主にまったく悪意がなくとも、結果的に業者だけでなくその業者を利用した依頼主までもが罰せられることもあります。
また、業者の中には必要な許可を取らずに不法に家電などの回収、買取をしているものもあります。
回収なら産業廃棄物に対する許可ではダメで「一般廃棄物収集運搬許可」というものが必要になり、買取なら「古物商許可」というものが必要になります。
自分の求めているものが無料だという都合のいい話はそうそうありません。
「無料」という言葉に興味を持ってしまうのは仕方がないかもしれませんが、基本的に疑ってかかったほうがいいですし、もし無料のサービスに申し込みをするのであれば、その業者が必要な許可を持っているか必ず確認するようにしてください。
【近所や近隣への配慮】
何部屋かでだけ生前整理や遺品整理をおこなうという場合には特に必要ないかとは思いますが、もし不用品などの搬出などで騒音が発生する場合には近所や近隣へのあいさつ回りをしておいたほうがいいでしょう。
不用品などの搬出や清掃などでは騒音が発生するでしょうし、通路を塞いだりエレベーターを使ったりすることも出てくるかもしれません。
生前整理や遺品整理で近隣から苦情が出ることは珍しくありませんので、最初から説明しておくと理解も得られるかと思います。
こういったあいさつ回りを業者のほうがおこなってくれることもありますし、もし秘密厳守での生前整理や遺品整理の場合には業者のほうであいさつ回りを控えてくれることもあります。
事前に確認しておくようにしましょう。
執筆:日本一正直な遺品整理業車ココロセイリ