ゴミ屋敷のお片付け
公開日:2020-12-10 22:31
目次
ゴミ屋敷については、ニュース番組などでも定期的に取り上げられるものです。
身近なところにゴミ屋敷があるという方や自宅がゴミ屋敷になっているという方も多いのではないでしょうか?
ゴミ屋敷というのは放置しておいても何のメリットもありません。
むしろ、デメリットばかりです。
・ゴミ屋敷のお片付けをしないことで起こる問題
ゴミ屋敷に対して、「本人がゴミの中で暮らしていて問題がないならそれでいいのでは?」と考える方もいるかと思います。
ただ、ゴミ屋敷を放置しておくとさまざまな問題が起こります。
だからこそ、ゴミ屋敷が社会問題化しているのです。
では、具体的にどのような問題が起こるのかについて触れていきましょう。
【不衛生になる】
ゴミ屋敷ということで最初から衛生的なわけはないのですが、ゴミ屋敷というのは思っている以上に衛生面で問題が出てきます。
大量のゴミを長期間放置することによって、ハエやゴキブリなどの害虫が発生します。
綺麗に掃除をしているお風呂場やキッチンでもコバエが発生することを考えれば、ゴミ屋敷では本当にすさまじい数の害虫が発生することになるでしょう。
害虫だけではありません。
その害虫を食べるさらに大型の害虫が寄ってくることもありますし、害虫を捕食するネズミも集まるようになります。
ネズミが集まるようになれば、そこから野良猫が寄ってくるようになり……といった具合で負の連鎖が始まってしまうのです。
害虫にしてもネズミにしても野良猫に関しても、もともとが衛星的な存在ではありません。
今は新型コロナウイルスの感染が拡大していますが、こういった感染症を媒介する可能性もあるのです。
【悪臭が発生する】
ゴミと一口に言ってもいろいろなものがあります。
ゴミ屋敷ではいろいろなタイプのゴミがたまっていることがほとんどで、その中には生ゴミも混じってきます。
生ゴミに関しても臭いが発生しないように気を遣っていても、生ゴミ独特の悪臭が発生してしまうものです。
換気の悪い空間の中で、生ゴミの悪臭がその他のゴミの臭いと混ざり合うと言葉では表現できないほどのすさまじい臭気を放つことになります。
仮に、住んでいる方本人がその悪臭に慣れてしまっていても、近所や近隣にとってはそれこそ悪臭によるテロのようなものに感じられるでしょう。
悪臭というのはそれだけで吐き気を催しますし、人によっては涙が出たり頭が痛くなったりすることもあります。
特に、最近では「スメハラ」などが当たり前になったように、臭いに敏感な方が増えています。
ゴミ屋敷の悪臭によって健康を損ねてしまう方も大勢いるのです。
【通行の妨げになる】
ゴミ屋敷にもいろいろなケースがあるのですが、家の中だけにゴミをため込んでいるのはまだマシな部類と言えるでしょう。
庭やベランダ、通路や道路にまでゴミが溢れている場合には、そのゴミが通行の妨げになってしまいます。
その道しかないという近所や近隣の方にとっては、まさに死活問題です。
また、あふれ出ているゴミが隣家にまで落ちてしまうこともあります。
道だけではなく、他の方の住まいを侵食してしまうこともあるのです。
特に、今は異常気象などの影響で自然災害によってゴミが流出してしまうようなことも考えられます。
【倒壊の危険】
木造の戸建てなどの場合、ゴミ屋敷になってしまったことで一般的な住まいのお手入れができずに劣化が進んでいく可能性が考えられます。
家というのは人が住んでいないと傷んでしまうと言われますが、人が住んでいてもゴミ屋敷では家が傷んでいく一方です。
ゴミをため込むことが家を壊すことにつながり、住人自身が生き埋めになってしまう可能性もありますし、倒れてきた家財などに通行人や近隣の方が巻き込まれて怪我をすることもあるでしょう。
どちらにしても、ゴミ屋敷というのは人の命を危険にさらすことになるのです。
・ゴミ屋敷のお片付けのコツ
部屋が少し散らかっているだけでも片づけをするときに途方に暮れてしまうものです。
そう考えると、ゴミ屋敷の片づけというのは途方に暮れるどころの話ではありません。
ただ、いくつかのコツを意識しておくとゴミ屋敷の片付けも効率的に進めていくことができます。
【通路を確保する】
足の踏み場もないほどのゴミ屋敷であれば、そもそも通路というものが存在しないかもしれません。
実際にゴミの中を泳いでいくように移動するようなケースもあります。
ゴミ屋敷を片づけていくためにはまず通路を確保しなければいけません。
そのためにも、家の入り口である玄関から片づけを進めていきましょう。
玄関が片付いたら、玄関から部屋までの通路を確保して、今度は部屋を片付けていくといった形で、とりあえずのゴールを区切って確実に片づけを進めていきましょう。
【迷ったら捨てる】
ゴミ屋敷も最初からゴミ屋敷だったわけではありません。
ほとんどの場合で、最初は普通の家だったのです。
それが何かのきっかけでゴミをため込むようになり、ゴミ屋敷へと変わっていったのです。
「まだ使えるかもしれない」というところからゴミがたまり始めるというケースも多いので、ゴミ屋敷の片づけでは思い切って捨てていくことが大切になってきます。
これまで迷ったら残していたものを、迷ったら捨てるようにしていくのです。
それこそ生活必需品以外は捨てる覚悟で片付けに取り組むことをおすすめします。
本当に必要なものだけを段ボールに分別して、絶対に必要とは言えないもの、迷いが生じるものはどんどん捨てていきましょう。
もったいないと思って保留にしてしまうと、ゴミ屋敷の片づけは一向に進みません。
目に見えて片づけが進まないとこれから先、片づけを進めていく気力もモチベーションも失われてしまいます。
もしどうしても判断がつかないというものがあれば、それを入れる専用の段ボールなどを用意して、後で考えるというのもひとつの方法です。
【高いところから始める】
掃除をするときには高いところからホコリを落としておいて後で床を拭くといった形が効率的ですし、実際にそういった形で掃除をしてきたという方も多いでしょう。
ゴミ屋敷の片づけにおいても同じことが言えます。
特に、ゴミ屋敷の場合には一般的な家よりもかなり汚れており、ホコリも多いはずです。
床から片づけを始めたとしても、上からホコリが落ちてきて二度手間になってしまいます。
それでは効率的に片づけを進めることができませんし、モチベーションも下がってしまうでしょう。
ゴミ屋敷の片付けもタンスや本棚などの高いところから始めるようにしましょう。
【リサイクルできるものはリサイクルに回す】
ゴミ屋敷だからといって、すべてがゴミだとは限りません。
ゴミの中に貴金属などの高価なものが紛れていることもあります。
ゴミとして捨ててしまうだけでは費用もかさむ一方ですし、環境を壊すことにもつながってしまうかもしれません。
リサイクルできるものはリサイクルに回して、費用を抑えつつ、地球環境にも配慮していきましょう。
・ゴミ屋敷は業者に依頼したほうがよい
自分でゴミ屋敷にしたからこそ、自分でゴミ屋敷の片づけをしようと考える方もいるかもしれません。
もちろん、自分でできる限り片づけるということも大切ではあるのですが、ゴミ屋敷というのは長い期間をかけてできあがったものなので、それを片づけるとなるとすさまじい時間と労力が必要になります。
それに不衛生になっており、片づけるために健康を損ねてしまうようなこともありますし、木造の戸建てなどが劣化して倒壊するような可能性もあります。
さまざまなリスクが伴うからこそ、ゴミ屋敷の確実かつ迅速な解決にはプロに頼むのが1番です。
ただ、いざ片づけるとなるとゴミ屋敷を見られるのが恥ずかしいという気持ちも出てくるかもしれません。
その気持ちもわかるのですが、プロの業者は知識と経験を豊富に積んでおり、ゴミ屋敷を作り出してしまった方の心情や状況をしっかりと理解してくれます。
決して変な目で見られるようなことはありませんし、何よりも気持ちに寄り添ってくれるので安心して任せることができます。
自分でどうにかしたいという気持ちもすばらしいのですが、最初からすべてをプロの手に委ねてみてはいかがでしょうか?
・ネグレクトについて
ゴミ屋敷とあわせて理解しておきたいのがネグレクトについてです。
ネグレクトというと、一般的には親が子育てをしない育児放棄を思い浮かべるかと思います。
ただ、こういったネグレクトというのは親子間だけではなく、自分の中でも起こり得るのです。
それが「セルフネグレクト」です。
セルフネグレクトを直訳すると「自己放任」です。
自分自身に無関心になる状態を指します。
セルフネグレクトに陥ると、社会とのつながりを疎かにする傾向が強く出てくるようになります。
その結果、日常生活への関心が希薄になり、人間関係を拒絶して刹那的な生き方を好むようになるのです。
具体的には、以下のような状態になってしまいます。
「食事を満足に取らない」
「部屋を掃除しない」
「歯磨きをしない」
「お風呂に入らない」
「体調が悪くても病院へ行かない」
このように多くの方が普段、当たり前におこなっていることをしなくなってしまうのです。
すべてに対して無関心になってしまいます。
そして、最後には孤独死または自死(自殺)してしまうケースも少なくありません。
今の時代、誰もがちょっとしたきっかけでセルフネグレクトの状態に陥ってしまうリスクを抱えています。
仕事や人間関係での悩みからセルフネグレクトに陥り、心身ともに疲れ切った状態が続くことになると、それまで当たり前にしていたことすべてが億劫になってしまうのです。
部屋の掃除や片づけをこまめにおこなっていたという方でもそれができなくなるので、散らかり放題の部屋になり、気づいたらホコリが舞ったり異臭がしたりする中でゴミに埋もれていくのです。
普通の精神状態であれば耐えられないでしょうが、こういった状態でも気にならなくなってしまうのがセルフネグレクトなのです。
今の時代、誰もがゴミ屋敷を生み出してしまう可能性を持っています。
執筆:日本一正直な遺品整理業者ココロセイリ