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孤独死、特殊清掃について

公開日:2020-12-10 22:33

目次


孤独死というのは「孤立死」とも呼ばれており、社会問題のひとつとなっています。

主に一人暮らしの方が自宅の中で亡くなったり、誰にもみとられない状態で亡くなったりすることを指します。

特に、今の都市部では人との交流が希薄になっており、都市部で発生した孤独死について取り上げられることも多くなっています。

親族との交流のない生活保護受給者の孤独死も増えています。

孤独死があった物件はいわゆる「事故物件」に分類され、破格の家賃で済むことができるといった形でも注目を集めています。

ただ、その一方で孤独死によって不動産価値を著しく損ねたことを理由に遺族に対して不当な賠償請求をするケースも報告されています。

今の時代だからこそ、孤独死やそれに伴う特殊清掃についても理解を深めておきましょう。

 

・孤独死の片付け

 

孤独死の片付けというのは、一般的な遺品整理やゴミ屋敷の片付けのようにはいきません。

孤独死の片付けで具体的に何をしていくのか見ていきましょう。

 

【部屋の臭いや状態の確認】

孤独死の多くは、発見までに時間がかかります。

特に、生活保護受給者などは親族との連絡を絶っており、近隣との交流を持っていない方が多く、死後かなり経過してから発見されることも珍しくありません。

時間が経過すると、やはり遺体は腐敗しやすくなります。

遺体が腐敗すると独特の腐敗臭からなる死臭を放ち、この臭いで通報されるようなこともあります。

血液や体液が部屋に飛び散った状態であれば、その臭いもよりすさまじいものになります。

腐敗した遺体を運び出してもその臭いは建物の建材や遺品に染みついてしまいます。

経験したことのない方にとっては、吐き気や頭痛などの体調不良を起こすような臭いになりますので注意が必要です。

血液や体液から伝染病に感染することもあるので、触れるときにも注意が必要になります。

 

【脱臭や除菌】

臭いであれば、一般的によく使われている消臭剤などで対応できるのではないかと思っている方もいるでしょう。

ただ、遺体が発する死臭は生活の中で経験するような臭いではありません。

一般的な消臭剤や脱臭剤では太刀打ちできないのです。

一部で死臭にも対応しているものが市販されているようなので、もし自分でやるということであれば死臭に対応しているものの購入をおすすめします。

また、除菌に関しては今は新型コロナウイルスの感染拡大によって、いろいろな商品が出回っています。

強力な除菌剤もありますが、特殊清掃をおこなう業者からすると不十分なものが多いようです。

孤独死があった部屋の除菌を一般の方がおこなうのはとても難しいので、特殊清掃をおこなう業者に任せたほうが安心です。

 

【家財の回収や処分】

孤独死のあった家には、血液や体液のついた家財も残されているはずです。

血液や体液のついた家財に関しては、処分するしかありません。

自分で処分する場合にはそれぞれの自治体の担当窓口に相談してみてください。

孤独死ということであれば臭いや衛生面の問題から回収を断られることもありますので、その場合には対応してくれる回収業者を探しましょう。

無料回収を謳っている回収業者もありますが、無許可での回収をおこなっていたり不法処理をしていたりする可能性がありますので避けるようにしてください。

孤独死のあった家の血液や体液のついた誰も引き取りたがらない家財を無料で回収してくれるような都合のいい話はそうそうありません。

 

・特殊清掃について

 

孤独死があった家の片付けや清掃に関しては、その道のプロである特殊清掃業者に依頼するのが一番安心です。

特殊清掃業者というのは亡くなった方の家を原状回復するスペシャリストのことで、専門的な脱臭機材を使って徹底的に除菌や消臭をおこなってくれます。

また、特殊な薬剤を使って家財などに染み込んでしまった体液を掃除することもできます。

特殊清掃業者が使う脱臭機はオゾン脱臭機と呼ばれるもので、ものによっては100万円以上するとても高価な機材です。

プロ仕様の機材を使うからこそより満足いく仕上がりになります。

業者を選ぶときには、どのような機材を使っているのかも確認してみてください。

一般の方でも気軽に購入できるような脱臭機では臭いが完全に除去できず、臭いが再発してしまうこともあります。

さらに、特殊清掃業者は家財の回収処分もおこなってくれます。

ほとんどの場合、別途費用がかかることになるのですが、特殊清掃とあわせて遺品整理も依頼すると専門的な資格を持ったスタッフの方が簡易的に分類した後でひとつひとつ遺族の方に確認しながら処理作業を丁寧に進めてくれます。

大量に発生したゴミの処理も請け負うところも増えていますので、依頼する業者がどこまで対応してくれるのかを確認しておきましょう。

 

・孤独死、特殊清掃を依頼する業者

 

孤独死にあたって必要になってくる特殊清掃なのですが、特殊清掃をする上で必須となる資格はありません。

実際に、資格を持たない状態で特殊清掃をおこなっている業者もあります。

しかしながら、孤独死による特殊清掃に関しては汚れや臭いに対する知識だけではなく、豊富な経験も求められます。

これを踏まえると、以下のような資格や免許を持っている業者であればより安心して任せることができます。

「普通自動車運転免許:今すぐにでもという遺族の方のもとへ早く駆け付けることができる上に、清掃機材や薬剤の運搬のためにも必要」

「事件現場特殊清掃士:清掃士としての心構え、安全に処理するための薬剤や脱臭の方法、またスタッフの安全を守るための感染症防止の知識を学んでいることを証明する資格」

「遺品整理士:遺品整理士としての心構えや廃棄物に関する法律、その必要性、円滑に進めるためのノウハウを習得したことを証明する資格」

また、業者を選ぶときに安さだけで決めないようにしてください。

確かに安いというのはそれだけで大きな魅力になりますが、安いからという理由だけで業者を選んでしまうと逆に高くつくこともあるのです。

遺品の違法投棄や料金の不透明さからトラブルに巻き込まれることもありますので、安すぎるものは基本的に避けたほうがいいでしょう。

特に、安いからといってスキルのない業者を選んでしまうと、一般の方が自分でおこなうのと同じようなレベルの清掃しかしてもらえない可能性もあります。

フローリングの裏に染み込んだ体液や壁紙についた腐臭を完全に除去することができずに、時間が経って臭いが戻ってきて、また別の業者に依頼し直すということも起こり得ます。

二度手間ですし、これでは費用もかさむ一方です。

多少高く感じられる料金であっても、スキルのある業者に依頼することで結果的に費用を抑えられるのです。

スキルのある業者を見分ける上で目安になってくるのが、先で挙げたような資格なのです。

他にも不用品の正しい価格を判断する遺品査定士が在籍していたり、遺品の家財などの買取ができる古物商許可を持っていたりする業者であれば、より幅広いサービスを受けられます。

さらに、特殊清掃での業者選びでは専門機材の用意があるのかも確認しておいてください。オゾン脱臭機や消臭のための専門の薬剤などが必要になり、特にオゾン脱臭機の性能がポイントになってきます。

高級ホテルや火災現場の復旧などで使われているような高性能なオゾン脱臭機であれば、より質の高いサービスを受けられます。

執筆:日本一正直な遺品整理業者ココロセイリ