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形見について

公開日:2020-12-10 22:35

目次


形見というのは、亡くなった方が残したもので、その人を思い出すよりどころになるものを指します。

もともとは「形を見る」ことで亡くなってしまった方が形になって見えるように感じられるという由来があります。

 

・形見分け

 

形見分けというのは日本に古くから伝わっている風習で、亡くなった方が愛用していたものなどを遺品として身近な人たちで分けることを指します。

ここでの身近な人たちというのは具体的に近親者や特に交友のあった人物などです。

ただ、意外に知られていないのですが、形見分けは故人から見て目上の方には贈ってはいけないのです。

故人から見て目上の方に関しては、先方からの希望がない状態で形見分けをすると失礼にあたります。

先方から希望があった場合にのみ、故人から見て目上の方にも形見分けを贈りましょう。

 

【形見分けの時期】

形見分けの時期というのは、明確に決まっているわけではありません。

ただ、一般的には四十九日の法要や一周忌を区切りにして形見分けをするというケースが多いようです。

四十九日法要は忌明けとも呼ばれ、故人の冥福を祈り、喪に服す期間を終える日です。

この忌明けをもって、故人の魂が旅立ち、仏様のもとへ向かうといわれており、ひとつの節目となるタイミングです。

そのため、故人への最後の見送りの儀式として、また故人を忘れないようにおこなわれる儀式として形見分けがあるのです。

このように考えていくと、形見分けというのは早すぎるのも遅すぎるのもよろしくありません。

場合によっては、葬儀を終えてから遺品整理を始めて、四十九日の後に親族で一度形見分けをおこない、一周忌後に友人たちに形見分けをおこなうというところもあるようです。

形見分けに関しては、信仰している宗教によって厳密に時期が決められている場合もありますし、地域によって考え方が違うという場合もあります。

形見分けの前に、確認しておきましょう。

 

・貴重品の売却

 

形見分けがスムーズにおこなえればいいのですが、最近では形見分けでものをもらっても困るという方も増えているようです。

本人の気持ちの問題であったり、ものに溢れている時代背景であったりその理由はさまざまです。

そういった場合、形見となる貴重品を売却してしまって現金を形見分けするというケースもあります。


現金を形見分けする際には、以下の点に注意しておきましょう。

「貴重品の売却に関しての同意を得る」

「相続税や贈与税がかからないか確認しておく」

「遺産分割を把握しておく」

「故人の希望でも無理に押し付けない」

問題がないようであれば、無地の白封筒に形見分けする現金を入れて、渡しましょう。

 

・エンディングノートの書き方

 

最近では終活という言葉が一般的になり、早い段階から終活を始めるという方も増えているようです。

終活の中でよく取り上げられるのが、エンディングノートです。

エンディングノートというのは、自分自身が亡くなったときのために、遺族に思いを伝えたり、亡くなった後の行動指針を示したりするためのノートです。

エンディングノートの決まった形式はないため、財産についてはもちろん、供用方法や葬儀内容、家族へのメッセージなどさまざまなことを好きなように記載していくことができます。

ただし、エンディングノートは遺言書のような法的な効力を持っていません。

それでも自分が亡くなった後に遺族がおこなうであろうことに対して、自分の意見を残すことができます。

エンディングノートは一般的なノートに好きなように綴っても問題ありませんし、今は書店などでエンディングノートが取り扱われていることも多いです。

先でもお話しましたように決まりはないのですが、エンディングノートでは以下のような内容を記載するケースが多いようです。

「本籍地や保険証、免許証、マイナンバーなど自分自身のこと」

「預貯金や年金、資産などのお金のこと」

「携帯電話の契約解除やインターネットサービスのアカウント情報など身の回りのこと」

「親族表や、葬儀に参列してほしい人などの親族のこと」

「ペットの食べ物やかかりつけ医など」

「延命処置や介護の希望する内容など」

「希望する葬儀や納骨の方法など」

「遺言書の有無や保管場所など」

「家族へのメッセージなど」

書店などで取り扱いのある市販のエンディングノートであれば自分史の記入ができるようなものもあるそうです。

自分史の記入を通して、自分の人生を振り返り、残りの人生についての考えが深まることもあるでしょう。

エンディングノートは自分のためにもなりますし、残された家族との最後のコミュニケーションにもなり得ます。

早めにエンディングノートを作成して、定期的に見直しをおこなっていくというのもいいのではないでしょうか?

執筆:日本一正直な遺品整理業者ココロセイリ