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墓所を決めてからやることは?

公開日:2020-12-10 22:52

目次


《墓石の形を決めよう》

墓石の形は主に「和形墓石」、「洋型墓石」、「デザイン墓石」の3つのタイプがあります。墓石の形や大きさは、霊園で定めてられている規則に反していなければ自由に決めることが可能ですが、各霊園や石材店で用意されている規格の形を選ぶ方が多いようです。霊園によっては、洋型専用区画など、制限を設けている場合もありますので、希望の墓石が建てられるか注意しましょう。

 

《墓石の形 3タイプ》

・和型墓石

石を3段に重ねた伝統的な縦長の墓石。彫刻には○○家の墓と家名を掘るのが一般的です。寺院墓地では根強い人気があります。

 

・洋型墓石

欧風の墓石を思わす横長の墓石。家名だけではなく、ありがとう、やすらぎ、絆などの好きな言葉や、バラやユリなどのイラストを彫刻する方も多いです。スタイリッシュでモダンに見え、どっしりとした安定感もあることから、一番多く建てられている墓石の形です。

 

・デザイン墓石

和形墓石や洋型墓石のような規格の形ではなく、自分自身のイメージを形にしたオリジナルの墓石。球状やピラミッド型の他、ギターや車など、趣味にちなんだ形をした墓石も。オリジナル墓石を建てる場合は、各霊園の工事規則に反していないか調べ、石材店と細かな打ち合わせを重ねて進めていく必要があるため、規格の墓石よりも時間を要します。

 

《石の種類を決めよう》

現在墓石に使われている石の種類は300種以上あるといわれています。産地や色も様々ですが、最近は中国やインドなど、海外で採れる石が多く使われています。

カラフルできれいな石が数多くありますが、その石の耐久性や安定性は、一般の方にはなかなかわかりません。石を選ぶときは見栄えの良さだけで即決せず、長年の経験をもつ石材店に相談し、石の特徴を確認するようにしましょう。

 

《日本・世界各国の銘石》

・香川県産 庵治(あじ)石

別名「墓石のダイヤモンド」。「斑(ふ)」と呼ばれるまだら模様が最大の特徴で、良質の原石は数が少なく、まさに最高級の墓石です。非常に硬質で、加工には高度な技術と時間が必要とされます。

 

・神奈川県産 本小松(ほんこまつ)石

箱根山の噴火の際に流れ出た溶岩が固まって出来た石。採掘時は茶褐色ですが、研磨をすると淡灰緑色の独特な色と模様の石面になります。時の流れとともに趣のある色合いに変化し、その変わりゆく姿に「侘びと寂び」を感じる石として人気があります。

 

・茨城産 真壁小目(まかべこめ)石

茨城県真壁町東部にある加波山の麓一帯で採掘されている、関東を代表する石の一つ。青味を帯びたシンプルな石目で、墓石だけではなく、国会議事堂などの多くの歴史的建造物にも使用されています。

 

・インド産 クンナム石

数あるインド産の黒御影石の中で最高級品。その名前はインドのクンナム地方で採れることに由来します。クンナム石は変色、変質が無く非常に耐久性に優れており、古くから墓石材として使用されています。

 

・南アフリカ産 インパラブルー石

強い黒味の中に、はっきりとした粗目の石目が特徴。青い小さな結晶が混ざっており、太陽などの光の角度によって結晶がキラキラと神秘的に輝きます。男女問わず多くの方に選ばれている人気の高い石です。

 

・中国産 新八光(しんはっこう)石

国内で最も使用されている石。薄い茶色味を帯びた粗目の石面で、主に外柵などの土台部分に使用されています。中国産の石としては古くから使用実績があり、経年変化も少なく安定感が抜群に優れている石の一つです。

 

《公営霊園の墓石工事はどこに頼むのが一番?》

都立霊園をはじめとする公営の霊園では、民営霊園のような指定石材店制度が無いため、自分達で石材店を探して墓石工事をお願いしなければなりません。数多くある石材店の中から、お墓を建てた後のアフターフォローのことも考えて、信頼できる石材店を選ぶ必要があります。

 

・石材店選びの3つのポイント

1、霊園の近くに店舗があるか?

→お墓参りの時には生花や線香の購入ができ、埋葬や法要の申込みや墓石のメンテナンスも頼みや

すい。霊園近くに店舗があると、お墓を建てた後が安心。

2、その霊園における工事実績があるか?

→実際に建っている墓石を見ることができ安心して墓石工事をお願いできる

3、図面や見積書がしっかりとしているか?

→お墓は専門的で分からないからこそ、図面や石の産地加工代が漏れなく記載された見積書が必要

 

《彫刻も様々》

ありがとう、やすらぎ、絆、愛、笑顔、感謝、空、家族、希望、一期一会、翔、和、こころ、海、これらは全て墓石に彫刻されている言葉です。最近のお墓は、家名や家紋だけではなく、好きな言葉や花のイラストを彫刻し、ご家族の想いを彫刻で残す方が増えてきました。

また、奥様のご両親と一緒にお墓に入る場合、両家の名前と家紋を彫る方もおり、彫刻も様変わりしています。

ただし、寺院墓地など一部の墓地では、彫刻の内容に制限がある場合がありますので、トラブルを回避するためにも、彫刻前に必ず確認が必要です。

 

《お墓を建てたときに執り行う法要とは》

・開眼法要(かいげんほうよう)

お墓を建てたときに執り行う法要が開眼法要です。お墓は建てただけではただの「もの」に過ぎないとされていますが、開眼法要を執り行うことによって、仏様の魂が墓石に入り、ただの「もの」から仏塔になります。つまり、開眼法要をすることによって、初めて手を合わせるにふさわしいお墓に変わります。

開眼法要はご納骨の時に納骨法要と一緒に執り行うのが一般的で、僧侶のほかにも親族などに参列してもらいます。生前にお墓を購入した場合は、建ててからできるだけ早い時期に執り行うのが好ましいとされています。

日取りが決まりましたら、菩提寺のご住職に法要をお願いすることになりますが、菩提寺が遠方の場合や、ご自身が長男でなく菩提寺が無いなどの理由で、法要をお願いするお坊さんがいない場合は、お墓を建てた霊園の管理事務所や石材店に相談すれば寺院を紹介してもらえます。

なお、開眼法要は地域により呼び名が異なり、開眼供養、入魂式、お魂入れ、お性根入れなどと呼ばれることもあります。また、一般的に浄土真宗では開眼法要は行いません。

 

・開眼法要当日の流れ

1、墓所を掃除し、お線香、花、果物やお菓子などのお供え物、塩、酒、米を用意します。地域によっては晒を使う場合もあります。

2、墓前に僧侶をお呼びし、読経をあげてもらいます。埋葬と一緒に行う場合は、読経が終わり次第ご遺骨を納めお墓の蓋を閉めます。

3、墓石に水を上げ、線香、花、果物、菓子を供えます。なお、お供え物は上げたままにしておくと、鳥や野犬に食い散らかしてしまいますので、持ち帰るようにしましょう。

4、参列した方と会食をします。

※開眼法要当日は、お墓を建てた石材店が法要のお手伝いをしますので、必ず事前に石材店と打ち合わせをしてください。

 

・仏壇も開眼法要

身内が亡くなって満中陰(四十九日)を迎えるとき、これまでの白木の位牌を黒塗りの本位牌に代えて仏壇に安置するようになるため、仏壇の無い家はそれまでに用意する必要があります。

また、仏壇も開眼法要がありますので、新たに仏壇を用意した場合は、四十九日や百か日などの法要時に、一緒に開眼法要もお願いしましょう。

 

《埋葬時の必要書類は?》

・埋葬許可証

埋葬する際に墓地管理者に提出する書類です。火葬の際、火葬場に提出した火葬許可証に、火葬が終了した証明印が押されて返却されますが、それが埋葬許可証となります。埋葬許可証の返却は、手渡しではなく骨壺と一緒に桐の箱に納められて返却されることがありますので、注意してください。

 

・永代使用許可証(墓地使用許可証)

墓地を使用する権利を得ている証明書です。墓地の申し込み手続きが完了すると、墓地管理者から発行されます。埋葬の際、管理事務所に埋葬許可証と一緒に提出します。

 

※埋葬の手続き方法は、墓所によって異なりますので、必ず事前に墓地管理者に確認をしてください。


執筆:須藤石材株式会社