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お墓と宗教

公開日:2020-12-10 22:57

目次


《仏教と宗派について》

6世紀初め、唐や百済で隆盛を極めていた仏教が、最新の文化として日本に伝えられました。後、聖徳太子が仏教の教えを政治の中心理念とし、日本に仏教の教えを浸透させ、平安時代の最澄・空海の出現により、本格的に日本人の心をとらえました。鎌倉時代には、法然、親鸞、道元、栄西、日蓮といった僧が民衆に仏教を広め、力強い信仰を集めるようになりました。彼らの説いた教えは弟子たちによって広められましたが、その後、それぞれ宗派が形成されていきます。

 

・天台宗(平安時代)

宗祖:最澄

総本山:比叡山延暦寺

804年遣唐使として唐に留学し、帰国後「法華経」を基盤とした円(天台)と禅、戒、密教を学び四宗融合させたものを日本に伝えました。比叡山に理論面、実践面を統合して体系を完成させた「天台宗」の道場を開きました。法華経の教えを中心に、菩薩となるための菩薩戒を取り入れ、密教、浄土教そして禅をも包括した総合的な教えを持つ宗派です。

 

・真言宗(平安時代)

宗祖:空海

本山:金剛峯寺、教王護国寺、智積院、長谷寺

804年遣唐使として唐に渡り、長安で青竜寺の恵果から密教を授けられ806年に帰国。京都高雄山神護寺で布教活動を行い、816年高野山を賜り金剛峯寺を建立、823年東寺(教王護国寺)を賜り、この二寺を根本道場として開宗しました。歴史上の人物であるお釈迦様ではなく、時空を超えた大日如来を教え主とする密教。「この身このまま仏になる」という即身成仏の信仰を持ちます。

 

・浄土宗(鎌倉時代)

宗祖:法然

総本山:知恩院

13歳で比叡山に入り、天台を学んだ後、中国僧善導の「観経疏」を読んで専修念仏の布教を開始しました。大原問答によってその名声を高め、「選択本願念仏集」を書いて開宗しました。阿弥陀如来の救いを信じ、「南無阿弥陀仏」と唱えていると、身も体も清らかになって、死後は極楽浄土に生まれて仏様になることができると教えます。

 

・浄土真宗(鎌倉時代)

宗祖:親鸞

本山:東本願寺、西本願寺など

9歳で比叡山に入り20年間修行し、29歳のときに法然の門に入り、専修念仏の布教を行いました。布教が禁止され越後に流されましたが、許された後は主に関東地方で布教活動を再開しました。念仏で往生を願うだけで、それどころか念仏を唱えようという気持ちが起きただけで、みなが救われるということが説かれています。

 

・時宗(鎌倉時代)

宗祖:一遍

総本山:清浄光寺

10歳で浄土宗西山派の門に入り、南無阿弥陀仏を唱えて全国を遊行し、空也上人の踊念仏を受け継ぎました。信仰の有無にかかわらず、全ての人々は一辺が唱えた念仏によって、阿弥陀仏に救われると説かれています。

 

・臨済宗(鎌倉時代)

宗祖:臨済義玄

総本山:妙心寺、建仁寺、建長寺、円覚寺など

菩提達磨によって中国に伝えられた禅宗が、臨済義玄によって深められて臨済宗となりました。日本には栄西によってもたらされましたが、その後、次々と渡来僧が中国から訪れてたくさんの寺院が開山しています。

 

・曹洞宗(鎌倉時代)

開祖:道元

両大本山:永平寺、総持寺

比叡山で学びましたが、その後宋に渡って曹洞禅を学び、宇治に興聖寺を創建、1244年には永平寺を開山しました。「正法眼蔵」を著し、日本曹洞宗の布教活動を開始しました。

 

・日蓮宗(鎌倉時代)

宗祖:日蓮

本山:身延山久遠寺

16歳で出家し、比叡山をはじめ各地で修業し、布教をはじめました。辻説法などを行いますが、鎌倉幕府の怒りを買い、何度も流罪となりました。

 

《神道》

神道は自然や自然現象に八百万の神を見出す、日本固有の一神教でない民族宗教といわれています。神道は、一般的には明確な経典や教義が無く、その根幹にあるのは、神羅万象や祖霊、死者などへの畏敬の念であるといわれています。

神道は仏教と違い、1~3年後以降は亡くなった方の命日から数えてぴったり5年後、10年後に追善法要である霊祭(みたままつり)が行われます。一般的には50年祭まで続けられます。

神社は、神道の神々を祭神としていますが、全国の神社の多くは神社本庁が統括しています。一般的には現在、初詣や厄除、初宮参りや七五三、結婚式や地鎮祭など、神道の行事は日常生活のいたるところに見かけることができます。

 

《キリスト教》

キリスト教は、旧約聖書(39巻)と新約聖書(27巻)の2部の書物を合わせて「聖書」としています。旧約聖書は紀元前1500年頃から紀元前400年頃の間にヘブル語で、新約聖書は紀元40年頃から紀元90年頃の一般的にはギリシャ語で書かれています。

原罪キリスト教の教会には、カトリックとプロテスタントなどがあります。カトリックとプロテスタントの信じる神は全く同じ共通の神ですが、それぞれに特徴があります。

 

・カトリック

カトリックは、聖ペトロの後継者であるローマ教皇を中心とした信者の集まりになります。また、聖書があって、教会が聖書を解釈することになります。

聖職者は一般的に神父と呼ばれており、生涯独身で一生を司牧に捧げ全うします。信徒の離婚や避妊、中絶は禁じられていますが、適度の飲酒や喫煙は禁じられていません。

 

・プロテスタント

プロテスタントにとって教会とは、人間の作ったものであると捉えられており、教皇や教会の権威は認めていません。聖書の解釈に関しては、個人の良心に委ねられています。ミサや告解など教会の決まり事もありません。

教会の代表は、牧師と呼ばれていますが、その地位は信徒と同様であり、結婚もできます。また、信徒の離婚や避妊、中絶は容認していますが、飲酒や喫煙は概して禁止されています。


執筆:須藤石材株式会社