介護サービスについて
公開日:2020-12-12 20:32
目次
介護施設という選択肢以外にも在宅介護も視野に入れてお考えになられている方も多いと思います。
要支援・要介護認定を受けている場合、ケアマネージャーにケアプランを作成してもらうことで介護サービスの自己負担額を1~3割に抑え家計への負担を軽減することができます。
(ケアプラン作成は、本人や家族が作るセルフケアプランもありますが専門的な知識が必要とされるうえに大きく時間も取られるためお勧めできません)
介護サービスには、大きく分けて自宅で受ける在宅サービスと施設に通って日帰りでサービスを受ける通所介護サービスの2種類があり、2つを上手く使い分け活用しご本人やご家族への負担を軽くしていきましょう。
在宅サービス
ホームヘルプ(訪問介護)
ホームヘルパーに自宅を訪問してもらい、食事、入浴、排泄などの身体介護や、調理、掃除、洗濯などの生活援助を受けるサービスです。
訪問回数には上限があります、上限以上利用した場合には新たにケアプランを市区町村に届け出る必要があります。
また、ホームヘルパーは家政婦ではないので頼めること、頼めないことをしっかり理解しトラブルを起こさないようにしましょう。
具体的には、介護を受ける本人以外のための食事、同居人がいる場合の家事、ペットの世話、草むしり、来客対応、留守番、預金の預け入れ、引き出しなどです。
介護対象以外へのサービスは原則としてできないので注意が必要です。
訪問リハビリテーション
通院するのが難しい方を対象に、リハビリの専門家(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)を呼んで訪問してもらい自宅でリハビリを行うサービスです。
リハビリ対象が複数いる病院と違い、利用者一人のため細かいリハビリ指導を受けることができるうえ利用者のペースで進められることが特徴です。
デメリットとして、専門のリハビリ機器が使えないためリハビリ手段が限られることと入浴や食事は自分で用意するか別途ホームヘルパーを呼ぶなど手間をかける必要があります。
居宅療養管理指導
上記の訪問リハビリテーションと同じく通院困難の方を対象に、医師、歯科医、薬剤師、歯科衛生士などに訪問してもらい薬の管理の仕方や飲み方、しっかりとした歯の磨き方や栄養バランスの整った食事の作り方など、療養上の管理・指導を受けることができます。
しかし、あくまでも管理・指導のため医師による医療行為は行われません。
治療を希望する場合は訪問診療を選択する必要があります。
訪問診療
医師が診療計画を立て、あらかじめ決められた計画通りに訪問し自宅治療を行うサービスです。
利用者の体調の変化ごとに臨機応変に計画を変更し治療を進めていきます。
場合によっては入院などの手配も行うなど第一のかかりつけ医として24時間体制で在宅療養をサポートしてくれます。
住宅改修
自宅において階段や壁、浴室に手すりやスロープを付ける場合20万円を費用上限とし内2~3割を自己負担する制度です。
引越しした場合もしくは要介護レベルが3つ以上増加した場合はもう一度住宅改修制度に申し込むことができます。
福祉用具の賃与
車いすや介護用ベッド、歩行器などをレンタルすることができます。
ただしレンタルする条件として介護度が一定以上であることが求められるなど多少の条件が設定されています。
特定福祉用具販売
指定された一部の福祉用具を購入する際、年10万円を費用上限とし内2~3割を自己負担することによって購入することができます。
通所サービス
デイサービス(通所介護)
要介護者を対象とした施設です、要支援者は通所することができません。
日帰りで施設に通い、利用者が可能な限り自宅で日常生活が送ることができるように、レクリエーションや食事・入浴などの介護や機能訓練などを行っています。
また他者との交流による利用者の孤独感の解消やご家族の介護負担を減らす効果も期待できます。
近ければ徒歩で通うこともできますが、車での送迎を行っている施設がほとんどです。
デイケア(通所リハビリテーション)
デイサービスと比較して介護よりもリハビリに重点を置くサービスです。
国家資格をもったリハビリ専門家によるリハビリ訓練を受けることができます。
訪問リハビリテーションと比べて、専門機器によるより効果的な訓練を行うことができますが、1対1の個別指導を受けられるのは大体30分くらいしかないことがほとんどです。
それ以降の時間は、医師が作成した計画に沿っての自主トレーニングを行う場合が多いです。
デイサービス同様、食事や入浴などを受けることができます。
こちらもほとんどの施設で車による送迎を行っています。
認知症対応型通所介護
デイサービスの中でも認知症の方に重点を置いたサービスです。
定員人数が少なく10人程度の少人数で行われることが多く、一人一人に対しての適切な対応をしてくれます。
また、管理者は認知症対応型サービス事業管理者を収める必要がありますので認知症に対して高度な知識を有しています。
ただし、地域密着型サービスに分類されますので、通所条件として施設がある地域・区域に在住されていることが条件となっています。
施設の形態により3つの種類に分かれています。
単独型
一般民家を改装して認知症対応型通所介護を行う型です
他のデイサービス・デイケアを併設せず認知症対応型通所介護のみを行う施設を指します。
併設型
病院や老人ホームなどの介護福祉施設で行われている認知症対応型通所介護を指します。
福祉施設内の一室を利用してサービスを行っています。
共有型
グループホーム内の共有部分を使用して行われています。
単独型や併設型と比べ機能訓練やリハビリよりもレクリエーションや他社との交流などコミュニケーションに重点を置いた型になっています。
ショートステイ
短い期間の間、施設に入居し介護を受けるサービスを指します。
このサービスは日ごろ介護をしている方が冠婚葬祭、体調不良などでやむを得ず一時的に介護をすることが不可能になってしまった場合のために実施されます。
必要なケアの種類によって、短期入所生活介護と短期入所療養介護にわかれますが
どちらも期限として30日間しか利用できません。
また、利用するにはケアマネジャーと相談する必要があります。
相談後はケアマネジャーが申込を行ってくれるので、ケアマネジャーに紹介された施設と契約を結び、サービスを利用しましょう。
短期入所生活介護
特別養護老人ホームや短期入所専門の施設に入所し介護を受けることができます。
30日間と期間に限りがある以外は通常の老人ホームで受けるサービスとほとんど変わりません。
短期入所療養介護
リハビリや医療的ケアが目的の場合は短期入所療養介護となり老人保健施設や療養型医療施設への入所となり、より高度の訓練やリハビリ、治療を受けることができます。
ショートステイは人気があるため、利用する直前に予約を取ろうとしても満杯で利用できないことがほとんどです。申込受付が3か月前から開始している施設が多いようです。特に年末年始やお盆休みなどの長期休暇期間はサービス側に予約が殺到しますので、予約が取れず、ただどうしても一定の期間ご自宅を空けなければいけない場合は有料ショートステイも視野にいれて選択していきましょう。
ただし有料ショートステイは介護保険適用外のため費用全額を負担する必要があります。
在宅介護サービス、通所介護サービス、ショートステイ、これらのサービスは介護を受ける利用者はもちろんのこと、普段介護をしているご家族の方の負担を少しでも軽くするために存在しています。
近年は、介護疲れによる家庭内の虐待や殺人、介護うつ、等のニュースをよく耳にするようになりました。
最悪の事態を招かないためにも介護サービスを活用し、介護者・被介護者ともに心身の負担を取り除くようにしてください。
介護はある日突然やってくることがほとんどです。
介護生活は、介護される側も介護する側も普段の日常生活と全く異なる生活を送ることになるので非常に心身に負担がかかります。
辛い時こそ一人で抱え込まず誰かに相談することや、介護者・被介護者での話し合いが重要になってきます。
そのために地域包括支援センターや各自治体の福祉課では介護相談会や懇親会が開かれており介護者の方の心のケアに取り組んでいます。
誰かに弱音を漏らすことは決して恥ずかしいことではありません、親のことだから自分が全て見なければと思う必要もありません。
何度でも言います、辛くなったら誰に頼ってください、誰かに助けを求めてください、それで救われる命があるのです。
そして、その事態を乗り越えて心に余裕ができたら、今度はあなたが助けを求める誰かの助けになってあげてください。
お互いに支えあい尊重しよりよい日常生活を送れるように協力していくことがとても大切なことです。
執筆:株式会社絆楽