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社会保険と後期高齢者医療制度について

公開日:2020-12-12 21:49

目次


・社会保険とは

社会保険とは、労働者が怪我や失業、加齢などにより働けなくなった場合に給付を受けるための制度です。具体的には、医療保険、年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の総称です。狭義の社会保険としては、医療保険、年金保険、介護保険を指す場合が多いと言えます(雇用保険や労災保険を除いたもの)。具体的には、労働者の場合、医療保険は健康保険(自営業者の場合には、国民健康保険)、年金保険は厚生年金(自営業者の場合は、国民年金)がこれにあたります。



・狭義の社会保険(公的年金と医療保険)
日本に住む20歳以上の方や、一定の条件で働く労働者は、公的年金制度(国民年金や厚生年金保険)と医療保険制度(健康保険など)に加入することになっています。この両制度の適用対象者が、平成28101日以降拡大しているので、この点は注意が必要です。
具体的には、これまで一般的に週30時間以上働く方が厚生年金保険・健康保険の加入の対象でしたが、平成2810月からは、従業員が501人以上の会社について、週20時間以上働く方などにも対象が広がりました。さらに、平成294月からは、従業員が500人以下の会社で働く方も、労使で合意すれば、会社単位で社会保険に加入できるようになりました。パートやアルバイトなどで働く方でも、加入してメリットを得られるようになります。
厚生年金保険に加入するメリットは、将来もらえる年金が増えることです。例えば、厚生年金保険に40年間加入し、毎月8,000円の保険料を納めた場合、将来受け取る年金額は毎月19,000千円増えるとされています。また、万が一障害のある状態になってしまっても、障害基礎年金のほかに障害厚生年金が支給されますし、死亡した場合には遺族に対して遺族基礎年金・遺族厚生年金が支給されます。
健康保険に加入するメリットとしては、病気や怪我、出産などで仕事を休まなければならない場合は、傷病手当金や出産手当金として、賃金の3分の2程度の給付を受け取ることができるという点も挙げられます。さらに、保険料の負担面でもメリットがあります。自営業などの国民年金や国民健康保険では被保険者本人が保険料を全額負担していますが、厚生年金保険や健康保険に加入した場合には、保険料の半分を会社が負担します。ですから、自身が支払った保険料の2倍の額が支払われていることになり、それが給付増加につながります。



・後期高齢者医療制度
平成186月、健康保険法等の一部を改正する法律により、老人保健法が改正され、平成204月から新たに後期高齢者医療制度が創設されました。
 昭和58年に設けられた老人保健制度は、わが国の国民皆保険制度下において、医療保険制度の安定性の確保に一定の役割を果たしてきました。しかし、老人保健制度は、独立した医療保険制度ではなく、制度の運営に要する費用は、患者負担を除き公費と医療保険者からの拠出金(高齢者と若年者の保険料)で賄われ、高齢者自身と現役世代の負担の関係が不明確であること、また、医療の給付主体が区市町村であるのに対し、実質的な保険料の決定と徴収主体は医療保険者と異なっており、制度運営についての責任主体が不明確であるなどの問題が指摘されていました。
 この老人保健制度の問題点を解消し、国民皆保険制度を堅持しつつ将来にわたり持続可能な保険制度とするため、さらには、医療費適正化の総合的な推進のため、少子高齢社会にふさわしい新たな独立した医療制度として、「高齢者の医療の確保に関する法律」(以下「高確法」という。)に基づく「後期高齢者医療制度」が創設され、平成204月から制度が開始されました。
後期高齢者医療制度の財源構成は、患者が医療機関等で支払う自己負担分を除き、現役世代からの支援金(国保や被用者保険者からの負担で4割)及び公費(国・都道府県・区市町村の負担が5割)のほか、被保険者からの保険料(約1割)となっています。


執筆:ファイナンシャルプランナー鈴木 裕二