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葬儀を受注するまでの流れ

公開日:2020-11-09 19:44

目次


一般的に最期の時を迎える場所はいくつかに分かれます。病院で逝去された場合は、医師が死亡確認をし、死亡診断書という公文書が発行されます。また、自宅で逝去された場合はかかりつけ医がいる場合に限り、故人が持病で亡くなり担当医から24時間以内に診察・治療を受けているときは、かかりつけ医が看取っていない場合でも死亡診断書を交付してもらえます。かかりつけ医がいない場合は死亡診断書ではなく死体検案書を交付できる警察署に連絡します。救急車を呼んだとしても遺体搬送は救急車は行えないため、警察が来ることになります。

警察が自宅にくる場合は無理に遺体を動かさないようにしましょう。
警察は事件性がないことを確認しに来ますので、できるだけそのままの状態で警察の聴取をうけるのが望ましいです。

死亡届を提出する

その後、死亡診断書または死体検案書を自治体に提出をし、火葬許可証を発行してもらいます。この火葬許可証がないと、葬儀をした後の火葬や埋葬をすることができないため、必ず行わないといけない手続きです。
死亡診断書や死体検案書を受け取ってから自治体に7日以内に提出をしないといけないため、この手続きは早急に行う必要があります。
一般的に家族のものが死亡届の提出を行うと思われがちですが、火葬場の予約は葬儀社が行うことがほとんどのため、葬儀社の担当者が死亡届を預かり、自治体に提出を代行し、火葬許可証を火葬場に提出しているのが一般的な流れになります。

安置する場所を決定して搬送をする

逝去した場所が、自宅以外の病院の霊安室や介護施設・警察などだった場合、安置する場所を決める必要があります。安置をする場所の候補は自宅・葬儀式場・火葬場の安置室・葬儀社の安置室があります。
その目的地まで病院などの各施設からご遺体を搬送しないとなりません。
そのために葬儀社が決まっていても決まっていなくても、葬儀業者に搬送を依頼する必要があります。
各施設には何日もそのまま安置はできないため施設の方より早めの搬送を促されます。各施設にはほとんどの場合、近くの葬儀会社や提携している葬儀社がありそこを進められるため、その葬儀社が知っている葬儀会社か、またインターネットなどで検索しみたことのある葬儀社なのか、信頼できる業者なのかをしっかりと判断する必要があります。
また、生前より葬儀の事前相談や事前の見積もりを取っていた葬儀会社があり、そこに決めている場合は、施設より勧められた搬送業者をお断りして、お願いすることが決まっている葬儀会社にお迎えに来ていただくほうがいいでしょう。
もし、依頼する葬儀業者の葬儀プラン料に施設から安置場所への搬送料が含まれていた場合、施設から紹介された搬送業者に別に搬送料を支払ってしまうと損をする場合もあるためです。

安置をする場所に枕飾りを用意する
枕飾りとは通夜までの間に親族の方がお線香をあげたり、手を合わせられるように簡易的な仏具を風習や宗派によって定められたきまりに沿って用意をします。
仏式の場合多くは、枕飾りを設置した後に枕経というお経をお坊さんに呼んでもらうのが、昔からの習わしとなっております。

仏式の枕飾り
仏式の場合はお線香をあげられる香炉を1つ置き、線香立てを香炉の左に置き、お線香に火をつけるための燭台を一つまたは一対用意します。宗派にもよりますが、リンを置き、ごはん・団子・水を用意します。ごはんには2本の箸を上から刺して立てます。
また枕花としてお花も用意します。

神式
神道の場合、八足という神道の儀式で使う机を用意します。そして三方と呼ばれる神饌(=しんせん 神に供える酒や食)をのせます。ろうそくをすることは仏式と同じですが、枕花の代わりに、花瓶に榊を飾ります。地域により異なりますが三方の中には決まった並べ方で水・米・塩・酒を並べます。
これの他に故人の普段の食事や好みのものを並べる常饌と呼ばれる供え物をすることもあります。

キリスト教
キリスト教には枕飾りという習慣はありませんが、日本では仏式や神式の枕飾りがあることからその代わりに十字架・花(白い色のもの)・聖書・燭台・食事(水・パン)を白い布をかけた小さなテーブルに用意することがあります。

一般的に枕飾りの費用は葬儀社の葬儀プランに含まれていることもありますが、プランとは別になっており、別途精算が必要な葬儀社もあります。

葬儀の打ち合わせをする

枕飾りの設置が終わったら葬儀社と葬儀の打ち合わせを始めます。その際、葬儀全体での予算を葬儀社に伝えるようにしましょう。葬儀プランだけ予算で選んでしまうと、会葬者によって変わってくる返礼品や仕出し料理などの飲食接待費やお寺のお布施などについても、葬儀社以外にかかる費用もありますので、全体的な予算感を大切にして打ち合わせを進めるといいでしょう。また、事前に葬儀社と事前相談をしていたり、見積書があった場合はそれを元にして打合せを行います。事前相談を行った時に会員になっていた際、割引制度など案内されていた場合はその割引が現時点でも適用されるかなども確認するといいでしょう。
また、希望する葬儀形式がどんな形式なのか、またその形式を選んだ場合どのようなメリットデメリットがあるかも気にする必要があります。

菩提寺がある場合
先祖代々必ず入るお墓がありそこを管理しているお寺などがあればそこが菩提寺になりその寺の檀家になっていることが多いです。
基本的に葬儀の読経のお勤めは枕経から始まり四十九日以降の法要まで、そしてその先の法要までその菩提寺の住職または僧侶の方が行うことになるため故人がお亡くなりになり葬儀の打ち合わせを始める前にまず最初に菩提寺に連絡を入れる必要があります。
菩提寺の連絡先や名前がわからない場合は親戚の方に聞くか仏壇の引き出しなどに寺の封筒などが入っていることがありますので、そのように調べて連絡するようにしましょう。また、菩提寺がいる場合は一日葬・火葬式・無宗教など今までの風習とは違う葬儀の形式を選ぶ場合必ず菩提寺の住職の理解を得ることが大切です。


執筆:終活アドバイザー 吉野 匠