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葬儀当日からの流れ

公開日:2020-11-09 20:20

目次


「通夜当日」
通夜の日に自宅で安置をしていた場合や葬儀社の安置所などから葬儀式場に棺を移送します。自宅に安置していても棺が入らなくてまだ納棺をしていない場合はストレッチャーで葬儀式場に移送し、葬儀式場にて納棺を行います。その場合通常より早めに家を出ることになります。

そして全国的に多い時間帯は18時から19時に通夜の式を執り行います。近しいご遺族の方々は先に式場入りして、あとから集まる親戚に挨拶をしたり、お経をあげてくれるお寺の僧侶の方を接待したりします。お香典などを受け取る受付を開くのは大体式の1時間から1時間半前になり、家族葬の場合は受付を設けなかったり、少し血縁の離れた親戚に受付を頼んだりします。式が始まり一般的なタイムスケジュールは以下の通りです。
18:00開式・ナレーションや式進行の案内 18:10読経・お焼香
19:00閉式・喪主挨拶(出棺時に挨拶をする場合も)
一般の会葬者の方は通夜振る舞いを焼香の後に受けます。
基本的に大皿料理で、寿司桶やお煮しめなどが一般的です。
閉式後、親族の方々も会食をします。(宗派によってお清めと呼んだりなおらいと呼んだりします。)
お通夜には故人との最後に過ごす夜を夜を徹して家族が寄り添うという意味が込められております。もともと昔は故人が亡くなったかを見極める意味もあったとされています。もしかすると生き返るかもしれないという周りの人たちの期待もありこのような時間が用意されていたともいわれております。
よく通夜の際は線香を絶やさずに寝ずの番(夜とぎ)をしなければならないと耳にしますが、最近では葬儀式場の防火上の理由から火を一晩中灯すことが禁止されていることもあったりと寝ずの番が減っているのも現状です。しかし、巻線香と言って蚊取り線香のような形状をした長い時間燃焼する線香利用し、ろうそくではなく巻き線香を代わりにする家もあります。なぜ線香を絶やさない方がいいといわれているのでしょうか。その理由は線香の煙はこの世とあの世をつなぐ架け橋のようなものと考えられているからです。その考えから四十九日までは線香の火を絶やさないようにしようということをよく耳にするわけです。

「告別式当日」
告別式とよく耳にしますが、「葬儀」と「告別式」を混合している方も多いかと思います。仏式で葬儀とは故人が仏の弟子入りをしてその際戒律(かいりつ)を授けて、浄土へ向かっていくいう意味があります。告別式とは故人と関係のあった家族や周りの友人や関係者がお別れの時を過ごすための最後の時間としての儀式とされています。
お別れのための式典ということですね。
また、一日葬でお葬式をすることになりますので、告別式だけを行うと考える方も多いようです。 告別式の流れは一般的には出棺の前1時間ほどの時間で告別式を行います。
例えば仏式で12時台の火葬炉の予約を取っている一例ですと 10時受付開始
11時告別式 開式 11時~11時40分 読経
11時40分~11時50分 棺にお花入れをしたり、お別れのお時間を取る
11時50分~喪主 出棺の挨拶 12時00分火葬場に向け出棺
という流れが一般的です。地域によっては先に火葬を行い骨葬をする地域もあります。
その場合は火葬を行った後にお葬式を行います。
また、地域や寺院によって違いはありますが、初七日の法要を 告別式の際の読経に組み込んで式中に初七日の読経を一緒にする場合もあります。
読経が終わった後は、棺の蓋を開けて最後のお別れの時間を過ごします。
花祭壇を飾っている場合は花祭壇の生花を摘んで棺にお花入れを行ったり、故人の好きだった食べ物やお気に入りの服を入れたりします。
火葬場によっては棺の蓋を開けてのお別れはここが最後になることもあるためお顔に触れられるのはこの場面になります。
棺へのお花入れやお別れをして棺の蓋を閉めましたら、出棺する前に喪主の挨拶をします。ここでは、会葬来てくれた会葬者へのお礼の言葉や、故人のエピソードや思い出を語ることが多いです。挨拶の最後に、残された家族と故人の生前と変わらぬご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いしますとお話になられる方が多いです。
出棺の際仮位牌を喪主が持ち遺影を次に親しい親族の方に持ってもらいます。お寺の僧侶に続いて位牌をもった喪主、次に遺影を持った親族、近しい男性の方々で持ち上げられた棺の順に霊柩車に向かいます。棺が霊柩車に安置されましたら喪主は霊柩車に乗車します。他の火葬場に同行をする親族の方などはマイクロバスに乗車して火葬場へ向かいます。最近ではマイクロバスを借りるほど親族に人数がいない場合は、自家用車を出してりタクシーを呼んだりしまして、霊柩車につづいて火葬場へ行くパターンも増えております。
霊柩車は最近では木製の彫刻で飾られた白木の宮型霊柩車は少なくなってきており、近隣の住民の方への配慮などで洋型の霊柩車を使用しているところが増えてきております。


告別式での挨拶例

・出棺の挨拶例①

「本日はお忙しい中、ご会葬いただきまして誠にありがとうございました。このように大勢の方々にお見送りいただき感謝にたえません。遺された私ども、故人の遺志に沿い、一生懸命努めてまいる所存でございます。今後とも故人同様、宜しくご指導ご鞭撻のほど賜りますようお願い申し上げて、ご挨拶にかえさせていただきます。」

・出棺の挨拶例②

「本日はお忙しいところ、故○○のためにご参列いただきまして誠にありがとうございました。あらためて○○が生前中、たくさんの方々に支えらええていたことを痛感し、その幸せを、今悲しみと同じようにかみしめております。遺された私どもも、これから頑張ってまいります。○○の生前中同様のご親交、またご指導をいただきますようお願い申し上げます。」

・火葬場へ到着してから

火葬場へ到着しましたらそのまま火葬炉に向かいます。火葬場には火葬業に従事したスタッフの方々がいますが、その方々や霊柩車を運転した人たちに気持ちとして心付を渡すこともあります。事前に葬儀社のスタッフの方に心づけを渡しておいて、火葬場のスタッフや霊柩車の運転手にかわりに渡してもらうこともよくあることです。立ち合いをしたご親族は火葬炉の前で最後のお別れをしたあと集骨までの時間を火葬場の控え室で過ごします。火葬場によっては、収骨を待つ間食事を取るところもありますし、お茶菓子とお茶を飲んだりして待つことがあります。


・収骨(骨上げ・拾骨)

火葬がとりおこなわれたあと、収骨をする場所へ移動して立ち合いをしている人たちでご遺骨を囲みます。立ち会う人が皆で箸を持って、一つのお骨を2人で箸で挟んでお骨壺に入れていきます。普段の生活では縁起が悪いとされていますが、このときは一つのお骨を2人で箸で掴みます。この箸ですが、二本のうち一本は竹、もう一本は白木で作られており、このように日常とは違うことをすることにより、故人が亡くなったことに気付くようにする今があるとされています。お亡くなりになって家に帰る際家に帰るとき玄関から入らず庭から入ったり、逆さ水といって湯灌のお湯を水を先に入れて次にお湯を入れるなど、日常とは違うことをする風習と同じような意味があります。
お骨を近しい順から1組ごとに挟んでお骨壺に入れていきます。これをはしわたしと呼び、あの世への橋渡しを意味すると言われております。
故人が眼鏡をしていた場合は、棺に入れてしまうと燃えないため、棺に入れることはできません、なのでこのタイミングでお骨と一緒に入れることもあります。
また、眼鏡を入れてしまうと取り出せないため、ご家族の方が形見で持ち帰ることもあります。
この時に火葬許可証が埋葬許可書として火葬場から発行されるので、納骨の際に必ず必要になる大切な書類のため、なくさないように保管しましょう。
収骨が終わると葬儀式場にもどります。


執筆:終活アドバイザー 吉野 匠