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葬儀後の挨拶まわりやお礼・法事の準備の仕方

公開日:2020-11-09 21:39

目次


ご葬儀当日から2.3日中にお世話になった方々にご挨拶にまわります。

挨拶に向かう先はお寺・世話役・お手伝いをしていただいた人・故人の職場・ご近所などです。

寺院・僧侶へは「先日の葬儀に際しましては、ご多忙のところ、たいへんご丁寧なお勤めを賜り、ありがとうございました。
おかげさまで、無事に葬儀を執り行うこ とができました。」などとお礼のあいさつをするとよいでしょう。

近所の方へは「生前中は、何かとお世話になりありがとうございました。この度の葬儀に際しましてもご迷惑をおかけして
申し訳ございませんでした。おかげさまで、とどこおりなく葬儀を終えることができました。
〇〇がいなくなり寂しくなりましたが、残さ れた家族みんなで頑張っていきたいと思います。
これからも、変わらぬお付き合いを、 どうぞよろしくお願いします。」などといった内容の挨拶をするとよいでしょう。

葬儀にいただいた弔電や供花供物などへの礼状を出すことも礼儀の一つです。

[弔電への礼状] 
「○○の候 皆様益々ご清栄のこととお慶び申し上げます

さて先般 母○○儀 死去に際しましては
ご鄭重なるご弔電を頂き厚く御礼申し上げます
早速拝眉の上お礼申し上げるところ略儀ながら書中をもってご挨拶申し上げます。
令和  年   月   日       〇〇〇〇」

[供花供物への礼状]

「○○の候 皆様益々ご清栄のこととお慶び申し上げます
さて先般 母○○儀 死去に際しましては遠路わざわざご会葬たまわり
そのうえご鄭重なるご弔意ならびに
ご厚志に預かり誠にありがたく厚く御礼申し上げます
略儀ではございますが粗筆をもって御礼かたがたご挨拶申し上げます
令和  年   月   日 〇〇〇〇」

[忌明け法要の準備から法要当日まで]

①故人の命日かそれより前の日で招待する方が集まりやすい日時を選びます。
②ご葬儀の時、お世話になったお寺に連絡して法要の予約を入れます。
③お寺や自宅以外での会食を考えるのであれば、招待する方の人数などに合わせた会場を探します。
④招待する方を決め、リストを作成して、会食の会場へ連絡します。
⑤法要並びに法事の案内状を作成、送付します。
⑥出欠の返事を整理し、料理を用意する人数、席順、引き出物の数などを関係先に連絡 する。
⑦お寺からの移動方法や最終人数など、全体を再度確認して、漏れがないようにチェックする。

[四十九日の法要]
忌明け 仏教では五七日(三十五日)・七七日(四十九日)の法要をもって忌明けとなります。

埋骨をし、白木位牌から塗り位牌に変えて仏壇に納めます。
埋葬をする際墓石開眼・納骨法要として魂を宿す読経を行います。

[忌明けと法要について]
初七日 親族、関係者を招き読経、焼香、会食で供養をする法要です。

百ケ日 近い親戚を招いての法要です。
以後、一周忌、三回忌、七回忌、一三回忌、一 七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌、も同じく法要をします。


新盆 お盆のしきたりに沿って供養をします。


法要の流れは読経→導師法話→施主挨拶→献杯→会食の順番が一般的です。


[初盆(新盆)法要]
故人がなくなってから最初のお盆の時に行われる法要です。
故人が迷わないで自分の自宅に帰ってこれるように玄関や仏壇の周りに飾りつけを行うのが、風習となっています 。

[なぜ、一周忌法要や三回忌法要というものがあるのでしょう]

仏教には「輪廻転生」と言って亡くなった人は生まれ変わるという考え方があります。
その世界観を六道という概念で表します。
そこには三善道と呼ばれる天道・人間道・修 羅道とそれに相反する三悪道と呼ばれる
畜生道・餓鬼道・地獄道があり生前の行いに悪 かった人は四十九日が経過したあと三悪道に落ちてしまうといわれております。

万が一故人が三悪道に進んでしまった際にも一周忌や三回忌法要で追善供養をすることにより
その罪を緩和して故人を良い道へ道ぶくことができると考えれているからです。

また、時の流れとともに故人との思い出などを偲んで故人の周りの方が集まって
命のつながりや人と人とのつながりを感じられる機会でもあります。
各法要の準備 1カ月前まで 日程を決定し、法要と会食の会場を予約します。

僧侶の手配も菩提寺などに連絡して行います。

会場と僧侶の手配が確定したら参列する方に案内状や電話などでお知らせをして出欠をとります。

2週間前までろうそく・線香などの法要で必要なものを用意して
参列者から香典やお供え物をもらった場合にお返しとしての引き出物を準備しておきます。
お菓子などが一般的です。のし紙は黒白又は黄白の結び切りで用意します。

表書きには「志」又は「粗供養」と書きます。
卒塔婆を用意します。宗派や寺院によっては供養のために卒塔婆を用意します。
必要であれば依頼するようにしましょう。
法要前日までお墓を掃除して家族で気持ちよく法要を迎えるといいでしょう。

[礼服を用意する]

1周忌までは基本的に喪服を着用します。
子供や学生がいる場合はなるべく地味なデザインの服を選び、
制服があればネクタイやリボンは色が派手であれば、外して参列させるといいでしょう。
1周忌より先は平服でいいとされています。


[挨拶・進行を考えておく]

当日の挨拶の言葉や当日の進行、会食の場合の参列者の席次を考えておきます。
上座から僧侶、親族、故人と親しかった友人の順に並び末席に喪主と家族が座るのが良いでしょう。
その際の献杯をする方を決めておき事前に依頼しておくようにしましょう 。

[四十日法要を開くにあたっての案内状例]
「謹啓○○の候益々ご健勝の御事とお慶び申し上げます
さて先般父○○儀永眠の際はご丁重なるご弔詞
並びにご厚意を賜り ご芳情の程誠に 有り難く厚く御礼申し上げます
来る○○月○○日は故〇〇〇の
77日忌に相当たりますので 生前のご厚誼を賜りました方々にお集まりいただき故人
を 偲び感謝の気持ちから心許りの粗餐を差し上げたく存じます
ご多様中誠に恐れ入りますが左記による来駕賜りたくお願い申し上げます 敬具

日時 令和  年  月  日(   曜日) 場所 〇〇〇〇〇
電話 0000-00-0000 令和  年  月  日
誠に恐れ入りますがご出席の有無を〇日までにお知らせ賜りたくお願い申し上げます」

[法要での挨拶例]
・開式の挨拶
「本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございました。早いもので、もう四 十九日となりました。ただいまより、△△寺のご住職様のお導きにより、故○○の忌明け 法要を行いたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。」

・会食の挨拶
「どうもありがとうございました。有難いお経を頂戴し、個人もさぞ喜んでいることと 思います。また生前親しくさせていただいた皆様にお集まりいただき、故人に代わって 厚くお礼申し上げます。それではささやかですが、お酒とお料理をご用意いたしました ので、ごゆっくりおくつろぎください。」
※この挨拶の時に故人との思い出やお人柄をお話になられると皆さま会食の際、故人を 思いだし偲んだりのきっかけになります。

・お開きの挨拶
「まだまだ皆様のお話など承りたく存じますが、そろそろお時間となりました。○○がい なくなり寂しくなりましたが、のこりました家族一同頑張っていきたいと思います。こ れからも、変わらぬお付き合いをよろしくお願い申し上げます。また何かと相談に乗っ ていただくこともあるかと思いますが、よろしくご指導賜りますようお願い申し上げま す。本日はどうもありがとうございました。」

[神式での追悼儀礼]
神式の場合十日ごとに毎十日祭と言って10.20.30.40.50日ごとに追悼儀 礼を行い五十日祭を忌明けとしています。忌明けをしたら神棚や祖霊舎に貼っていた白 い髪を取り払う清祓いの儀と合祀祭(霊璽を祖霊舎に移す儀式のこと)を行います。 その後は百日祭、一年祭を行います。
そのあとの追悼儀礼は2.3.5.10年目に行っていきます。それ以降は二十年祭、 三十年祭を行います。

[キリスト教式の追悼儀礼]
キリスト教では大きく分けてプロテスタントとカトリックに分かれていてそれぞれ死後 の追悼の仕方は様々ですが、カトリックの場合は十一月にある万霊節(11月2日、2 日が日曜の場合は3日に死者のために祈りをささげる日のこと)に全ての死者に向けた 追悼ミサがあります。
また死亡した日から3日、7日、30日目に教会で追悼ミサを行う場合もあります。 プロテスタント場合はお亡くなりになった1カ月、1年目などの区切りに記念式をしま す。それ以外は遺族などで記念の集いをします。


執筆:終活アドバイザー 吉野 匠