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死後の手続き

公開日:2020-11-09 21:49

目次


死後の手続きの流れを前もって知っておくことによりもしものときに落ち着いて順序だ
てた行動ができます。
ここでは手続きの流れについてご説明いたします。

手続きはたくさんありますが、まず手続きに優先順位をつけることが大切です。

たとえば生命保険の保険金請求期限は死後3年とされていますので、
資金に余裕がある のであればすぐに手続きをする必要はありません。

しかしお葬式の費用にあてたり生計 を共にしていたかたが亡くなり、
当面の生活資金などで必要な場合は死亡後すぐに請求してもよいでしょう。

直近でまず必要になる手続きは
死亡届の提出(7日以内)

世帯主の変更(14日以内)
健康保険証を返して埋葬料などを受け取る

年金の手続き
公共料金、電話などの名義変更や解約

相続した財産の名義を変更などです。

相続や税金関連では
遺言書をさがす

遺言書の確認や検認
相続放棄などの手続き(3カ月以内)

所得税の準確定申告(4カ月以内)
遺産分割協議書の作成

相続税の申告(10カ月以内)

このようにたくさんの手続きがあるため重要な手続きや
期限が迫っている手続きから手を付けていくようにしましょう。


・死後の手続きによく必要になる書類
死後の手続きではよく「戸籍謄本」「住民票」「印鑑証明書」などが必要になります。
これらの書類はほぼすべての手続きで必要になりコピーではなく原本が必要なところが多いため、
一度に何通か発行してもらい持っておくと何かとどの窓口や手続き先でも提出を求められるので便利です。


・戸籍謄本
戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)には生年月日・結婚・親子関係・死亡日などが記載されている公的な証明書です。
そしてその戸籍にある全員の情報が記載されています。
現在ではその情報がコンピュータ化されておりそのような書類を戸籍全部事項証明書と呼んでおります。
それ以前のコンピュータ化されていないものを戸籍謄本と呼んでいます 。


・住民票
住民票は氏名・生年月日・住所・本籍などが書かれている住んでいる自治体から取得できる証明書です。
亡くなった方の住民票を取るには亡くなった時に住んでいた地域の市区町村役場にて取得します。
死亡届が提出された後に住民票には死亡したことが記載されます。
もし手続き先でそのような住民票を取得してほしいといわれた場合は死亡したことが
載っている住民票がほしい旨を窓口の方に伝えるといいでしょう。


・印鑑証明書
印鑑証明書は本人が実印と同じことを証明するために自治体に登録した印鑑を証明する書類です。
手続きをする方が住んでいる自治体で取得します。

手続き先によっては3カ月以内のものなど期限に指定がある場合があるので注意が必要です。

・死亡を証明する書類
死亡を証明する書類には以下のようなものがあげられます。
死亡診断書(死体検案書)
死亡したことが記載されている戸籍謄本または除籍謄本

除籍謄本とは戸籍内の全員が戸籍からいなくなり閉鎖された戸籍についての書類。
死亡や結婚、転籍などが理由となります。

・死亡したことが書いてある住民票またはその除票
除票とは住民票から死亡や転出が理由で抹消された住民票のこと。
5年の保存期間がある。 相続の手続きでは出生~死亡までの戸籍謄本が必要になる

故人が出生後、結婚して親とは別の戸籍になったり、
本籍地を移動したりするとその都 度戸籍が複数存在することになります。
例えばA市で生まれ、結婚を機にB市に転居して新たな戸籍を作り、
子供が成人し独立したため、C市に転居をして転籍した場合などは、
死亡後A・B・C市にて3つの市から戸籍を取得する必要があります。

まず最初に本籍があったC市にて戸籍を取ると転籍前のB市があることがわかります 。

そしてB市で戸籍を取ると転籍前がA市だということがわかります。

A市にて戸籍を取ると出生が記載されていることが確認できると取得しなければいけない
戸籍謄本はすべてとれたことがここでわかります。

・改製原戸籍と除籍
1948年(昭和23年)に施行された新戸籍法により1957年(昭和32年)頃に家単位の戸籍から、
夫婦を単位とする形式の戸籍に変わりました。

その後、戸籍をコンピュータ管理にすることが決まり1994年(平成6年)の戸籍法 が改正されました。

この戸籍法の制定などで戸籍が書き換えられた以前の戸籍は改製原 戸籍(かいせいげんこせき・かいせいはらこせき)と呼ばれます。
このような改正以前の戸籍を持つ人は改製原戸籍を見ないと情報を得ることができないのです。
相続手続き で必要になる改製原戸籍や除籍謄本、結婚転籍前の戸籍謄本には有効期限がないため、
終活の一つとして自分や家族の戸籍謄本をそろえるのもよいでしょう。


・名義変更や解約について
故人の名義になっている契約など、引き継ぐ場合は名義変更を、
引き継がないものには解約をしなければなりません。

ここでは様々な名義変更や解約についてご説明いたします。

世帯主の変更について故人が2人世帯の世帯主だった場合、残った方が自動的に世帯主になります。

3人以上の世帯主であった場合は誰が新しい世帯主になるかを
14日以内に届け出をし なければいけません。届け出をする場所は住民登録のある自治体になります。

・電話料金・公共料金など
故人が電話料金・公共料金などの契約者などになっていた場合、解約手続きは多くの場合期限はありません。
しかし、料金の引き落とし口座が故人のクレジットカードや銀行口座引き落としなどの場合は、

銀行口座やクレジットカードが使えなくなると支払いがされなくなり、督促状などが届いてしまうこともあります。

エンディングノートなどにそういった情報を書いておくと手続きをされる方の負担が軽減されます。

・印鑑登録カード・パスポート・運転免許証など

印鑑登録カードは死亡届の提出後自動的に廃止手続きがなされるため、
特に手続き等はないので自治体に返却するかハサミやシュレッターにかけて処分しましょう。
マイナンバーカード、シルバーパスなどは自治体に返却します。

調理師免許などの国家資格の免許証などは発行元に返却します。
パスポートや運転免許 証は、基本的に発行元に返すことになっています。
有効期限が過ぎれば自動的に失効しますが、
公的な本人確認書類のため念のため悪用などされないように発行元に返却するのがいいでしょう。


・賃貸契約など
賃貸契約などの契約の権利人は相続人に引き継がれます。
(終身建物賃貸借契約という 相続のない一代限りの賃貸契約の場合は契約者が死亡した時点で契約が終了します。)
 もちろん賃料の未払い分やその後の賃料の支払い義務も相続人が引き継ぐことになるためもし、
賃貸契約を継続する必要がないならば、契約者が亡くなった時点で早めに家主 や管理会社に知らせて解約をするのがいいでしょう。

・クレジットカードの年会費や各種会員証
クレジットカードの契約者が死亡してもカード会社に契約者が死亡したことを伝えないと、
年会費の支払い請求書がきてしまったり、カード払いにしている何らかの月々の料金が引き落とし銀行口座が閉鎖せれない以上、
そのまま支払いが進んでしまします。
 カード裏面に書いてある問い合わせセンターに電話をして契約者がなくなったことを伝えるといいでしょう。
また悪用させれることを防止するためにカードにハサミを入れておくようにしましょう。

また、月謝などを払っている場所があれば運営会社や代表者に連絡をして退会をします 。

この情報もエンディングノートに書いておくことで手続きをする人がトラブルなどなくスムーズに手筒気を進められるようになります。

・葬儀の際に給付が受けられる場合

お亡くなりになられた方が、
国民健康保険被保険者・社会保険被保険者・国家公務員共済組合組合員の場合、
葬祭費・埋葬費として下記の補助を受けることができます。
こちらの制度はご自身で手続きをすることにより受け取ることができる制度となっております。


・故人が国民健康保険被保険者の場合
【受給条件】
被保険者が死亡した場合、葬儀を行った方に葬祭費を支給
【補助内容】
自治体により異なる (1~7万円程度)

・故人が社会保険被保険者の場合

【受給条件】
被保険者が死亡した場合、被扶養者に葬祭費を支給
被扶養者がなくなった場合、被保険者に葬祭費を支給
【補助内容】
被保険者が死亡した場合5万円 扶養者が死亡した場合5万円

・故人が国家公務員共済組合組合員の場合

【受給条件】
共済組合・国家公務員組合の加入者の遺族(埋葬を行った人)
【補助内容】
各組合により異なる 故人が生活保護受給者の場合
【受給条件】
受給者本人が死亡し、遺族が困窮のため葬儀が行えない場合
【補助内容】
葬儀に必要な最低額 最大20万円弱 その他葬儀で行われる様々なサービス


執筆:終活アドバイザー 吉野 匠