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保険料と保険金 様々な保険の種類について

公開日:2020-12-12 21:27

目次


保険料は支払うもの、保険金は受け取るものです。

「保険料」とは、契約者が保障を得る対価として保険会社に支払うお金のことをいいます。例えば、「手数料」「入場料」などという言葉のように、「○○料」という場合は支払うお金を指します。よって、契約者が支払うお金が保険料です。保障を充実させようとすると、一般的に保険料は高くなります。
他方、「保険金」とは、被保険者が死亡・高度障害状態のとき、または満期まで生存したときなどに保険会社から受取人に支払われるお金のことをいいます。例えば、「年金」「助成金」などという言葉からイメージできるように、受け取るお金が保険金です。



・契約年齢
生命保険の保険料は被保険者の年齢と性別によって算出されます。
生命保険では契約年齢を決める2つの方式があります。保険会社あるいは保険商品によってどちらかを採用するかあらかじめ決まっています。

       満年齢方式
これは一般的に使われている年齢計算の方式です。誕生した日から起算して365日ごとに1歳年齢が上がっていく方式です。誕生日の「前日」24時に1歳年齢が上がるようになります。ですので、満年齢方式を利用している保険会社で保険に加入する場合については、誕生日「前日」までに手続きをすることで、保険料が上がる前の加入が可能になります。

       保険年齢方式
こちらは満年齢の月を見て、6ヶ月以内なら切り捨て、6ヶ月を超えるときは切り上げで計算されます。例えば、116日生まれで30歳の人の場合、保険年齢においては前年716日~当年715日までが30歳とカウントされるので、保険料を抑えるためには誕生日の半年前までに加入手続きをする必要があるのです。



・終身保険
終身保険は死亡もしくは高度障害になった場合に保険金を受け取れる生命保険の一種です。
具体的に終身保険はどのような特徴を持っているのでしょうか。代表的に4つの特徴があります。
       保障期間が一生涯
終身保険は途中で解約しない限り、保険期間が一生涯続きます。一定の期間が経つと保障が終わるということがありません。そのため、解約しなければ何歳で万が一のことが起こっても遺族は死亡保険金を受け取れます。
       保険料が変動しない
基本的に終身保険の保険料は一定になっています。何らかの保障の条件を変更しない限り、毎月支払う保険料の金額が変わることはありません。
       保険料の払込期間が選べる
終身保険の保険期間は一生涯ですが、保険料の払込期間は短くすることができます。払込期間にはいくつか種類があり、大きく分けると終身払と短期払の2つがあります。
終身払は、保障が続いている期間、つまり生きている間ずっと定期的に保険料を払い続ける方法です。それに対して、短期払は決められた期間のうちに保険料を払い終える方法となっています。短期払は、10年間・15年間・20年間など何年で支払い終えるといったタイプや、60歳まで・65歳まで・70歳までなど何歳までに払い終えるといったタイプ」があります。
       解約返戻金がある
終身保険では、途中解約した場合、解約返戻金がもらえるものがほとんどです。保険会社では、保険料の一部が積み立てられていて、その部分が解約した際に解約返戻金として戻ってくるのです。解約返戻金は、加入してから年月が経つにつれて、その金額の増える割合が上がっていきます。契約形態よっては、支払った保険料の総額よりも、受け取る解約返戻金のほうが上回る、というケースもありえるのです。このように、支払ったお金よりも受け取るお金のほうが大きくなる可能性がある性質から、終身保険は「貯蓄性がある保険」と言われています。



・定期保険
定期保険は生命保険の一種で、死亡もしくは高度障害となったときに、保険金を受け取ることができます。定期保険の特徴は以下の通りです。
       保険期間は一定期間
終身保険が一生涯の保障であるのに対して、定期保険は10年や15年といった比較的短い期間を保険期間としています。そして、満期を迎えるたびに更新していく「更新型」と、30年といった比較的長い期間を保険期間として更新をしない「全期型」の2つから選ぶことができます。
       解約返戻金
定期保険で注意したいのは、一般的に解約返戻金や満期保険金は用意されていないことです。定期保険では、あらかじめ決められた保険期間のうちに死亡保障や高度障害保障の支払事由に該当しなかったら保険金は支払われません。そのまま保険期間とともに保障は終了してしまいます。しかし、その分、解約返戻金のある終身保険や、満期保険金のある養老保険と比べて保険料が割安になっています。そうした特徴から「掛け捨てタイプの保険」とも呼ばれています。



・養老保険
養老保険とは生命保険の一種で、一定期間の死亡保障と将来に向けた貯蓄機能をうまく兼ね備えた保険です。保険期間中に万が一のことが起こった場合には死亡保険金が、生存して満期を迎えたときには死亡保険金と同額の満期保険金が受け取れます。また、解約時には解約返戻金を受け取れます。養老保険は、万が一の保障を確保しながら、将来必要になる老後の生活費を準備することもできるのです。
養老保険の保険料は、定期保険などの掛け捨て型の保険はもちろん、終身保険と比べても割高になっています。養老保険からは死亡保険金や満期保険金、解約返戻金のいずれかが支払われます。裏を返せば、養老保険では死亡保障を備えながら貯蓄もできるように保険料が高く設定されていると言えるのです。



・収入保障保険
収入保障保険は、被保険者があらかじめ決められた保険期間中に亡くなった場合、残された家族が満期までお給料のように年金形式で死亡保険金を受け取ることのできる掛け捨てタイプの死亡保険です。掛け捨ての死亡保険という点では定期保険と似ているところもあるのですが、時間の経過とともに受け取れる保険金総額が少しずつ減っていくという特徴的な仕組みを持っているので、定期保険よりもさらに保険料は割安に抑えられています。
収入保障保険は「割安な保険料で手厚い保障を得られること」「リスクに対して合理的な仕組みを持っていること」の2つが主なメリットとしてあります。 被保険者が年齢を重ねて死亡のリスクが高くなっていくとともに、万が一のときに支払う保険金の支払期間が短くなるので、そのぶん保険期間中いつ亡くなっても常に保険金額が一定の終身保険・定期保険などと比べて保険料を割安にすることができます。なので、収入保障保険は割安な保険料で手厚い保障を得ることができるのです。また、段階的に受け取る保険金総額が減っていく性質は、残された家族の経済的なサポートという観点からは合理的だと言えます。というのも、残された家族が将来的に必要とする費用は、必ずしも常に一定というわけではないからです。
収入保障保険は掛け捨てタイプの死亡保険のため、解約したときの解約返戻金などは用意されていません。



・高度障害状態
高度障害(高度障害状態)とは、保障の開始日以後の障害または疾病により、保険期間中に次にあげるいずれかの状態となった場合を意味します。
両眼の視力を全く永久に失ったもの 
言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの 
中枢神経系・精神または胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの 
両上肢(腕)とも、手関節以上(手首から先)で失ったか、またはその用を全く永久に失ったもの 
両下肢(足)とも、足関節以上(足首から先)で失ったか、またはその用を全く永久に失ったもの 
○1
上肢を手関節以上で失い、かつ1下肢を足関節以上で失ったか、またはその用を全く永久に失ったもの 
○1
上肢の用を全く永久に失い、かつ1下肢を足関節以上で失ったもの 
高度傷害保険金とは、被保険者が、疾病または傷害によって所定の高度障害状態となった場合に支払われる保険金です。
死亡保険金と同額であり、高度障害保険金が支払われると保険契約は消滅することになります。



・就業不能保険
就業不能保険とは、病気やケガで長期間働けなくなった時に備える保険です。医療の高度化のために従来助からなかった命も救えるようになった半面、障害等が残って働くことができない患者数が増えてきたことを背景に販売が開始された比較的新しい保険です。
就業不能保険は、所定の就業不能状態になり、その状態が支払対象外期間を超えて継続している間、契約時に決めた金額を毎月給与のように受け取ることができる保険です。就業不能保険でポイントとなるのが「所定の就業不能状態」と「支払対象外期間」です。
就業不能保険は60日などの支払対象外期間があります。その期間で回復して働けるようになった場合は給付金を受け取れません。短期間の入院などは医療保険でカバーするか自分の貯蓄から捻出する必要があります。どのような状態でどれくらいの期間いたら支払対象になるのか、事前によく確認しておく必要があります。



・民間の医療保険
民間の医療保険とは、民間の生命保険会社などが販売している保険商品のことです。たくさんの保険会社の中から選ぶことができますし、加入も任意です。
ただし、自分が気に入った商品に自由に加入できるわけではありません。民間の医療保険に加入するためには、現在の健康状態などを正しく告知する必要があります。健康状態などによっては希望の医療保険に加入できなかったり、一部条件が付いたりすることがあります。また保険料は、加入者の年齢や保障内容によって変わり、年齢が高くなったり、保障を手厚くしたりすれば、保険料は高くなります。
民間の医療保険には、公的医療保険でカバーしきれない費用負担を軽くする目的があります。民間の医療保険の主な保障は、大きな出費となることが多い入院や手術をしたときのための給付です。
その他にも、ガン、急性心筋梗塞、脳卒中など特定の病気と診断された場合に一時金を受け取るものや、先進医療を受けた時にその技術料をカバーする保険があります。



執筆:ファイナンシャルプランナー鈴木 裕二